<登場人物>
(攻)如月雪也(きさらぎ ゆきや)…本名白松龍一。映の探偵助手。実家はヤクザだが、家業は継いでいない。
(受)夏川映(なつかわ あきら)…探偵事務所所長。和装。珍妙な人やものを引き寄せる超トラブル体質。
<あらすじ>
度々実家を訪れるようになった映は、父親から知り合いのロシア人実業家のために襖絵を描いてほしいと頼まれます。最近の心変わりから承諾した映は、ロシア人実業家と繋がりをもつ雪也を伴い、ロシアへと旅立ちます。
<感想>
フェロモン探偵シリーズ8冊目です。ロシアの大富豪・ピョートルの依頼で、現地で襖絵を描くことになった映が、番犬・雪也と一緒にハネムーンへと旅立っていました。
とはいえハネムーン気分なのは雪也のみ。映にとっては襖絵を描く仕事のためであるのと同時に、かつて映を慕ってくれていた美少年・バルとの再会を楽しみにしていたりします。そういえば映が自称タチだったことを久々に思い出し、懐かしい気持ちになりました。
ところが、ロシアに着いてみればバルは映の好みからはかけ離れた立派な青年に成長していたり、ピョートルのコレクションが何度も盗まれたり、びっくりな人と再会したり。映のトラブル体質は海外でも発揮されていて、次から次へと謎だらけの事件が頻発していました。
今回はおそらく5作目以来の登場となる日永さんがかなり不気味だったものの、事件の種明かしはすっきりしていて、後味がよかったです。はじめこそバルとの再会を楽しみにしていた映でしたが、雪也への気持ちがブレていないのは読んでいて嬉しくなりました。異国の地でこっそり(?)ことに及ぶふたりの姿は本当にハネムーンのようでずっと見ていたくなります。最後には花嫁プレイっぽいシーンもあり、まさに蜜月のロシアという感じでした。
そういえば雪也サイドの問題がまだ残っていたんだったと再確認させられたお話でした。映のトラウマが解決に向かう方が先だったのが今となっては意外で、シリーズ全体の流れもますます楽しみになってきました。
<オススメ要素>
・ロシアでトラブル続出のハネムーン。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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