欠けた記憶と宿命の輪 不浄の回廊3 夜光花(著)/小山田あみ(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)西条希一(さいじょう きいち)…元塾講師。超現実主義。27歳。

 (受)天野歩(あまの あゆむ)…霊能力を持つ。実家が「拝み屋」。27歳。


<あらすじ>

 自身の霊能力を磨くため、山にこもり修行していた歩。2年の修行を終えて地元に帰り、離れていた恋人・西条のもとへ向かいます。ところが、スマホは解約、同棲していたマンションも引っ越していた西条は行方不明に。なんとか探し当てた歩でしたが、西条にはここ数年の記憶がなく、歩が恋人であることも覚えていないといいます。


<感想>

『不浄の回廊』、『二人暮らしのユウウツ』、『君と過ごす春夏秋冬 不浄の回廊番外編集』に続くシリーズ4冊目です。不穏な帯とあらすじに謎の焦りを覚えたのはきっと私だけではないはず。記憶喪失ものは場合によってはかなりのダメージを受けるので不安もあったのですが、大好きなシリーズなので勇気を出して読んでみました。

 結果、もう本当に読んでよかったです!! 西条の記憶が飛んだとはいっても、原因は霊障。それなら修行を終えてパワーアップした歩にはなんとかできてしまうのです。2年の別離からの記憶喪失+結婚疑惑には相応の切なさもあったものの、西条は西条で性格のブレが一切なく、さらに歩自身も強くなっているのでなんだかコミカルで楽しいほどでした。こんな記憶喪失ならいくらでも読んでいたいです。

 しかも、超現実主義で霊関連は一切否定してきた西条が、まさか歩み寄りを見せるとは。歩の愛と修行がついに報われたように思えて感激でした。実はちゃんと待ってくれていた西条も偉いし、恋人を信じてがんばり続けた歩もすごい。すでにラブラブだと思っていたふたりがさらなる前進を見せてくれて、ますます好きになりました。

 小山田あみ先生のイラストも全部美しくて細部まで見逃せません。特に今回の表紙。ふわっと綺麗な中に背徳感(歩の生足)と不穏さ(西条の足)が同居している上に、ふたりの関係性も伝わってくる……お話を読み終わった後も何度も眺め回しています。


<オススメ>

・シリーズ4冊目。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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・シリーズ




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