vs.LOVE １　/緒川千世　【漫画感想】

　個性の強いヤンキー達が次々に登場し最初はついていけるか不安でしたが、スピード感ある展開にぐいぐい引っ張られたいへん楽しく読めました。それぞれに抱えているものがあるっぽいのも期待値が上がります。まだ１巻なのでわかっていることは少なそうなのに、すごくおもしろくてびっくりしました。

　居吹と鼓は居吹のトラウマをきっかけに出会ったも同然のため、互いの正体を知らないながらも恋愛的な気持ちのブレはなさそうです。風雷町で生まれ育ち、１年の時から風雲高のトップとして重圧を背負い続けてきた居吹。そんな居吹が絶対に隠さなければならない弱みを最初からさらけ出し、優しく受け止めてくれた鼓に一気に傾いていくのはなんかわかる気がしました。

　とはいっても、描き下ろしで実は居吹と鼓は実は初対面ではなかったことが発覚。本人たちに自覚はなさそうですが、劇的な一目惚れのようでいて本当は段階を踏んでいた、みたいな事実があるのかもしれません。ないかもしれませんが。

　群像劇とあるので、今回の主役のふたり以外にもどこかがくっついたりするのでしょうか。抗争にも様々な方面からの思惑が交錯しているようで、表面化したときにどうなってしまうのか想像するだけでワクワクします。