夢見る快楽人形 花川戸菖蒲(著)/水貴はすの(イラスト) 【小説感想】
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<登場人物>
(攻)花森(はなもり)…花の神。
(受)灰谷響(はいたに ひびき)…田舎で育った三男。無理矢理婿養子にされそうになり、ひとりで東京に逃げてきた。21歳。
<あらすじ>
気がつくとどしゃぶりの中でひとり佇んでいた響。時刻は深夜3時、直前まで自分が何をしていたのか、どうしてここにいるのか全く思い出せません。
二ヵ月もの間行方不明だったらしい響はバイトを首になり、新しく働くことになったクラブで客のヤクザ・西條に見初められ、情婦となります。西條は響をかわいがってくれますが、響はなぜか体が満たされないままの日々を送っています。
<感想>
受の響を「花」に例えながら展開される物語にすっかり虜になってしまいました。綺麗な顔に男を引き寄せる色香を放っている響は、常に周囲の男達を虜にしてしまいます。そのため肌色シーンのとても多い作品なんですが、本命攻以外との絡みでも響はいつも花のような儚い美しさを感じさせてくれました。
冒頭では響にここ最近の記憶がない状態なので、時系列が何度か前後します。記憶がない時の響を拾ってくれたのがヤクザの若頭補佐・西條さん。この西條さんが響をとても大切にしてくれたので、私はもうこのふたりが添い遂げてしまえばいいのではと思ってしまいました。ですがこの時点で実は響は花の神様・花森のものだったので、私の勝手な希望は叶いませんでした。
その後西條に囲われることで他から恨みを買ってしまい、ボロボロにされてしまった響を本命である花森が助けてくれます。そこから響が忘れてしまっていた花森との回想が始まりました。
響は実は以前にも人から痛めつけられたことがあり、それを救ってくれたのが花森でした。響の容姿が気に入った花森は自分の屋敷に連れ帰り、響と体を繋げることで傷を治してくれます。
人ではなく花の神様だという花森の屋敷には、元は人間だったらしい動く人形がたくさんいます。花森が響を助けたのは、響のことを人形にしてかわいがるため。人形にはなりたくない響は抵抗しますが、響のことを理解し大切にしてくれる花森に次第に気持ちが動いていきます。
私ははじめこそ全力で西條さんを推していましたが、後半になるとやっぱり響の本命は花森なんだと思えてきます。花森が響に触れると、響の体に花が咲くんです。咲くといっても物理的に茎が生えるとかではなく、肌に花の画がふわりと浮かび上がってきます。これが響や花森の感情に連動しているようで、絡みシーンごとに響の体に咲く花が増えて満開になっていく様は本当に美しくて惚れ惚れしました。
不憫で擦れていない受が神様に囲われて自分の道を見つけ幸せになる、というもともと大好きな流れに加え、体に花を咲かせる響がもう本当に綺麗で大好きになりました。先生があとがきで花森のことを「変態神様」と表現されていて、最後に爆笑してしまいました。
<オススメ要素>
・神様攻×不憫受。
・感情に連動して受の体に花が浮かび上がる、美しい肌色シーン。
地雷注意:受に本命攻以外との絡みがあります。
<関連作品>
・電子書籍
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