……そうだったはずなんですが、そういういじらしい恋心を全部どこかに置き忘れ、お前は最初から俺のもの、ではじまるBLファンタジーもいつのまにか大好物になっていました。本当に愛があるのかは読む人によって捉え方が変わるとは思いますが、気持ちを大切にする恋愛とはいえないものの、そこに強烈な愛を感じた作品を紹介させてください。
・『僕たちがなくしたもの』(表題作) /名目古グリズリー (感想記事はこちらです)
互いに彼女を作ったりしているのに、幼少期から繰り返してきた変態行為のせいで離れられない光斗と俊哉。「恋愛感情なんてこれっぽっちもない」という俊哉はこれからどこへ向かったのでしょうか……。
・『ダブルミンツ』(表題作) /中村明日美子
漢字は違えど同姓同名なふたりは、やはり運命的ななにかで惹かれ合うようにできているのかもしれない、もしくは一緒にいなければならないようにできているのかもしれない、と感じた衝撃的な作品でした。
・『5Seconds』(イタイノイタイノ) /さちも (感想記事はこちらです)
ドM性癖で繋がる3人。容赦のない暴力は相手のしてほしいことがわかるから……だと信じています。
・『どうしようもない』(ハッピードリームマン) /松田うさち子
同時収録のとても短いお話です。ふたりがどういう末路を辿ったかは不明ですが、受はもちろん、攻にも愛が芽生えていたと思いたくなるラストでした。
・『あやかし喫茶で待ち合わせ』(垢嘗め) /海野サチ (感想記事はこちらです)
あやかし喫茶で待ち合わせ (マーブルコミックス)
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海野サチ 東京漫画社 2018-01-24
こちらはとても楽しい雰囲気ですが、ふたりの関係は完全に体から始まっています。描き下ろしタイトルまで『愛が副産物』。この潔さが大好きです。
・『夏陰―Cain―』 水原とほる(著)/高緒拾(イラスト) (感想記事はこちらです)
愛情表現が激しくわかりにくい岡林さん。雪洋に対する仕打ちは本当にひどいものなのに、なぜかそこに強烈な愛が感じられるのが不思議です。
・『パペット』 丸木文華(著)/みずかねりょう(イラスト)
こちらは恋をする暇もなく相手に取り込まれてしまった、という印象です。サイコパス故の凄まじい押し付けだったとしても、桐谷からは紡への愛があるように思えました。
・『蘭陵王』 山藍紫姫子(著)/座裏屋蘭丸(イラスト) (感想記事はこちらです)
互いに憎み合っているのに、憎しみが激しすぎるあまりそこに愛の存在も感じてしまうというなんとも不思議な感覚を味わいました。なんだかもういろいろ凄かったです。
・『七日間の囚人』 夜光花(著)/あそう瑞穂(イラスト)
主人公達は全裸で監禁されているので、恋なんてしている場合ではありません。謎の多いお話なのであまり詳しくは言えないのですが、嫌いが好きになるのも、ここまでのことができるのも、愛故だと思えました。
・『青水無月』 水原とほる(著)/稲荷家房之介(イラスト)
痛みと苦しみを味わいながら、一緒に地獄に落ちていく兄弟……よほどの気持ちがなければできないです。
好き勝手な解釈を書いてしまいましたが、結局いろいろな方面のサイコなキャラを集めてしまったただけかもしれません。ファンタジーだから言えることですが、こういう人達も大好きなんです。
ご覧いただきありがとうございました!
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