生徒に求愛されてます♥ 髙月まつり(著)/こうじま奈月(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)瀬野修弥(せの しゅうや)…高校3年。中3からモデルをしている。

 (受)鈴原聡太郎(すずはら そうたろう)…高校教師。瀬野の担任。


<あらすじ>

 高校教師の鈴原は高1の瀬野の担任になって以来、真正面からアピールしてくる瀬野の告白を断り続けているものの、3年になった瀬野の態度は相変わらずです。
 実は過去元カレに乳首だけを開発されたことがある鈴原は、敏感な乳首をひた隠しにしながらなんとか日常生活を送っています。しかしそれがうっかり瀬野にバレてしまい……。


<感想>

 冒頭からすでに恋人の瀬野と鈴原とのラブシーンに、あれ、これは何かの続きだったのかしらと一度本を閉じて先生の既刊を調べてしまいました。そこで続き物との情報は得られずにもう少し読み進めてみたところ、鈴原のことが好きすぎる瀬野の妄想だったという。さすが「細胞レベルで恋をしてしまった」だけのことはあります。いい意味で、完全に騙されました。

 現実では、入学式の日に鈴原に一目惚れした瀬野は毎日のように鈴原にアピールし告白もしているのに、生徒と教師の枠からはみ出す気のない鈴原はつれない返事をし続け、瀬野は早3年生に。鈴原とは逆に、先生と生徒のうちに学校での思い出を作りたい瀬野は諦める様子を見せません。

 その一方で鈴原の胸中では瀬野は「好みの最高の顔」らしく。これもう完全に両想いなんですが、瀬野が生徒でいるうちは絶対に告白は受けないと、鈴原の態度は頑ななまま。ゲイだからずっと片想いでいいという考えはちょっと切ないものがあるのですが、この鈴原の真面目な性格がうかがえるところはとても印象がよかったです。

 そして特筆すべきは、鈴原が必死に隠している彼の秘密。高校のときに元カレに乳首だけを開発された鈴原は、敏感すぎる自身の体を持て余し、乳首にはいつも絆創膏を貼っているのです。その事実をうっかり瀬野に知られてしまってさあ大変。

 鈴原の弱みを見つけた瀬野はここぞとばかりに迫ってきます。みかねた同僚の先生にまで流されてみたら(ただしバレないように)、とアドバイスされる鈴原。快楽に逆らえない鈴原に「先生を流す」と宣言する瀬野でしたが、場所が一々トイレや風呂場なのが笑いを誘います。

 これは卒業前に先生陥落かと思われ、瀬野の高校生活最後の文化祭、お祭り騒ぎの学校の屋上でついに瀬野は本懐を遂げます。タガの外れた鈴原が予想外に素直でかわいかったです。

 それから文化祭での鈴原の本格女装が想像を超えていて楽しかったです。ドイツにいそうな漆黒ワンピースの女家庭教師……眼鏡がとてつもなく決まってました。


<オススメ要素>

・先生大好きモデル生徒×流され先生。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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