俺のご主人様 髙月まつり(著)/中田アキラ(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)百井亮介(ももい りょうすけ)…広報課課長。銀縁眼鏡のクールビューティー。30歳。

 (受)清水幸太(しみず こうた)…企画開発課。理想のご主人様を求めている。25歳。


<あらすじ>

 世界中の人々のナイトライフをサポートする会社・「ゼッツリーン」。企画開発課で働く清水には、理想のご主人様を見つけて自分をスレイブにしてもらい、生涯のパートナーとなって苛められたいという夢があります。
 同じ会社の広報課課長・百井は、見た目は清水の理想とするクールビューティ。ところが、外見に反していつでも物腰柔らかな性格で、清水はそれが残念でなりません。


<感想>

 遅ればせながら最近になってハマった髙月まつり先生。このノリは中毒性があるといいますか、完全に癖になってしまい、新刊を楽しみに待っていました。今回はときどき視点が変わることがあるものの、基本は清水の視点で固定されていたのでとても読みやすかったです。

 冒頭では少しだけ百井の気持ちが語られます。我慢の限界を迎えたらしい百井が友人に気持ちを吐露しているんですが、これが初っ端から腹筋が崩壊するほどの凄まじさ。「エロスがスーツを着て出社している」と表現される清水って、百井から一体どう見えているのか。百井が広報課で課長を務める会社「ゼッツリーン」(すごい社名……!)に入社してきた清水への並々ならぬ想いにこちらは笑い泣きが止まりません。

 そして一方の清水はとくれば、頭の中では理想のドSご主人様に苛められる自分を妄想しながら日々を生きていました。つまり百井にはバレバレだったわけです。

 ただし清水には生涯を共にするご主人様に自分の初めてを捧げたいという願望があり、実際にSMというものを体験したことはありません。妄想が先走りすぎて自分は痛めつけられることが好きだと思い込む清水と、SはSでも相手を快楽責めにしたい百井との微妙な擦れ違いがまたおもしろいです。

 互いに振り回されながらも、着実に百井の手に落ちていく清水。この過程がとてもよかったので、ふたりが完全に恋人になってからもう1ラウンド見たいくらいでした。

 ……と思っていたら、作中に登場していた人物でのシリーズ作品があったのですね。やたらキャラの濃い脇役が多いと思ったら、そういうことだったのか……。「高級SMクラブ芙羅明御」のおふたり、追いかけてみようと思います。在庫がありますように!



<オススメ要素>

・快楽責めタイプのドS×妄想過多な初心者M。


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