愛を与える獣達 むすんだ絆と愛しき『番』 茶柱一号(著)/黒田屑(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)ゲイル…熊族。寡黙で無骨。

 (攻)ダグラス…獅子族。レオニダス王国の王弟。

 (受)森羅親之(しんら ちかゆき)…チカ。治癒術師。40歳で異世界に転生し、少年の姿に。


<あらすじ>

 ゲイルとダグラスと3人で家庭を築いたチカは、ダグラスとの子供の出産に臨みます。周囲からも温かく見守られ無事2人の子供を生んだチカは、リヒトとヒカルと名付け初めての育児に奮闘します。
 頼もしい護衛も加わり、家族とともに幸せな暮らしをしていたチカ。しかし優秀な治癒術師として有名になったチカのもとには、不穏な陰が迫っていました。


<感想>

 『愛を与える獣達 無骨な熊と王者の獅子と異界の『番』』の続編です。52~81話、閑話2つ、エピローグ、書き下ろし『選んだ未来と絆結びし獣達』が収録されています。

 前半はダグラスの子を身ごもったチカの出産、ふたりの子供たちの幸せ子育て生活の様子が描かれていました。みんなに愛されているチカの初めての出産となれば、親戚のアニマたちはてんやわんや、その後無事生まれた子供たちにはそれはもう大喜びです。

 前作でも少しほのめかされていましたが、ヒカルのおかげでテオ救済となるのですね。チカに初恋を捧げたテオがちょっとかわいそうだったので、報われそうでよかったです。でもダグラスの存在を考えると、テオの苦労はまだまだ続きそうな予感がします。

 チカたちが家族でほのぼの暮らしている描写が続き、油断していたところへ不穏な陰がチラついてきます。そしてチカはゲイルの子がお腹にいる状態で、突然竜にさらわれてしまいます。

 襲撃者である竜人・ガルリスにはのっぴきならない事情があったわけですが、脳筋の彼には強硬手段しか選択肢がなかったようです。当然怒り狂ったゲイルとダグラスを筆頭にチカ救出班が助けに向かう途中、自分の子供ごと目の前で伴侶をさらわれたゲイルの取り乱しようは凄まじかったです。このときだけはダグラスがマトモに見えました。

 チカ救出のあともゲイルを慰めるダグラス、この攻ふたりの関係性に大変萌えさせていただきました。ひとりの受を共有する攻同士の仲間意識っぽい関係が見られるのも、複数モノの醍醐味だと思っています。

 大事件を引き起こしたガルリスでしたが、そのおかげでチカがこの世界にやってきた理由が明らかになります。チカがもといた世界での心残りについても大方が解決へと向かい、最終的には世界を巻き込んでの壮大なハッピーエンドに大変あたたかい気持ちになれました。

 リヒトの舌っ足らずな話し方は読むのに少し苦労したものの、後半からの怒涛の展開に目が離せずに今回もあっという間に読み終わってしまいました。個人的には竜族のヨハンとガルリスのことがとても気になっているので、3作目にも手を伸ばしてみようかなと考えています。


<オススメ要素>

・異世界ファンタジー、シリーズ2作目。
・チカが呼ばれた理由が明らかに。


<関連作品>

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・『恋けも』シリーズ
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