秘密のメスイキおじさん /りーるー 【漫画感想】
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アンソロに収録されていた短編が7作品+描き下ろしがまとめられています。表題シリーズで5組、全部で7組+αのカップルが登場します。アンソロのペーパーやサイン本のおまけ漫画も各作品ごとに収録されていました。
『秘密のメスイキおじさん』(表題作)
<登場人物>
(攻)修平(しゅうへい)…大学生。21歳
(受)香山(かやま)…会社社長。眼鏡。40歳。
<あらすじ>
大学生の修平は、バイト先の社長・香山への片想いをこじらせ中。そんなときにハッテン系SNSで話題になっているという「ひみつのメスイキおじさん」の噂を耳にします。
<感想>
走る高級ラブホ「ドスケベリムジン」にまつわるお話が展開されていきます。アンソロのテーマに合わせて濃厚な絡みシーンが多いのに、不思議と雰囲気はどれも上品。ステキなオジサマが多めだからかもしれません。
香山への恋をこじらせすぎて「ひみつのメスイキおじさん」に接触を試みた修平、修平から送られてきた写真を見て普通にびっくりしている香山社長がとってもかわいいです。
白髪交じりの髪に華奢な身体(でもお尻は肉感的)の香山は40よりも歳を重ねてそうに見えて、ホントいいおじさんでした。おじさんはレアなことで有名なのに、互いの正体が早々にバレているのもなんか微笑ましかったです。
『メスイキリムジン午前0時』
<登場人物>
(攻)神立滋(かんだち しげる)…ハイヤー会社のドライバー。元暴走族特攻隊長。
(受)今泉(いまいずみ)…会社の二代目社長。女王様。
<感想>
リムジン専属運転手(すごい……)の山名さんに代わってドスケベリムジンを初めて運転することになった滋。騎乗位が基本の女王様・今泉を挑発し、どうなることかと思っていたらとんでもない事態になっていました。
まず衝撃なのが「エンジンの回転数に連動して震えるバイブ」。運転中の滋が間接的に後部座席の今泉を翻弄するという凄過ぎる展開にこっちが震えました。これは何プレイっていうんでしょうか。元特攻隊長の戦闘準備と運転技術は侮れませんでした。
『ハ・メ・ド・リ・ム・ジ・ン』
<登場人物>
(攻)コンタ…映像監督。ノンケ。ゲイビは初めて。
(受)ヒカル…売れっ子ゲイビモデル。
<感想>
こちらだけ若者同士です。おそらく。コンタがリムジン確保できるの今日だけなのに、と焦っているのが若さを感じられて新鮮です。そういえば、他のオジサマ方はみなさん金銭方面に余裕そうだったなとここにきて気がつきました。このリムジンは都内に1台しかないらしいです。
どんなトラブルにも柔軟に対応できてしまうヒカル、さすがは売れっ子です。色っぽい。これもしかしてコンタふられちゃうのかな、一瞬思ったんですが、ヒカルが優しい人だったので一安心しました。
『追憶リムジン』
<登場人物>
(攻)宗(そう)…整備会社社長代理。
(受)内田(うちだ)…宗の会社に転職してきた。独身。40歳。
<感想>
例のリムジンを整備している会社でのお話でした。ワケありげな内田、いきなりリムジンの特注フロントガラスを壊してしまい、宗を怒らせます。どうやら内田は前の職場でこのリムジンに乗せられいやな目に遭っていたみたいです。
宗はだいぶ荒療治でこれはどうなのかなと思ったものの、内田が思いのほかかわいくなってくれたのでこれでいい気がしてきました。
『ラスト・リムジン』
<登場人物>
(攻)奥(おく)…柴田の運転手をして40年。眼鏡。
(受)柴田(しばた)…裏社会組織の会長。あと3日で引退。
<感想>
あと3日で会長を引退することになっているヤクザの柴田。最後にリムジンで奥とそういうことがしたい、と話したときの哀愁ときたら半端なかったです。
なんていうかこのリムジンけっこう有名なんですね。自然に囲まれた場所でドアを開け放し、全裸で煙草をふかすふたりの姿がラストにふさわしい幕引きでした。
『W.I.A』
<登場人物>
(攻)宮前(みやまえ)…ユキトのチーフマネージャー。
(受)ユキト…アイドル。マネージャーがころころ変わる。
<あらすじ>
なんでもこなす人気アイドル・ユキトのチーフマネージャーになった宮前。これまで誰も気づかなかったユキトの不調を見抜きますが、ユキトは自分のプライベートには一切立ち入らせません。
ユキトの久々のオフの日、社長に届け物を頼まれた宮前は初めてユキトの自宅を訪れます。
<感想>
完璧だと思っていたアイドルが実は……という夢あふれるお話でした。ここからはものすごいネタバレになります、苦手な方はすみません。
一卵性双子が入れ替わりながら仕事に出ていたユキトとマナセ。双頭のお道具を使った双子百合プレイに突入です。
宮前も参加してからは連結……に見えなくもないけどどうだろう、なシーンも。ありがとうございます。テーマが「百合BL」なのと双子は両方受っぽいので、連結まではいってない……でしょうか?
『48時間』
<登場人物>
ジェフリー・ホワイト…潜入捜査官。
「君」…浅黒い肌にあどけなさの残る少年。国際密売組織構成員。監視兵。
<あらすじ>
密輸ルートのデータを持ち出したジェフリーは、気がつくと縛られた状態で粗末な小屋に転がされていました。そこではまだあどけなさの残る1人の少年がジェフリーを監視しています。
<感想>
潜入捜査の途中で捕まったらしいジェフリー。密売組織のタトゥーの入った少年に見張られているっぽいのですが、南国ムード漂う風景にほのぼのしてしまいます。
こちら本番ナシなんですが、あれ、本当になかったっけ?と何度も確認してしまうくらいエロさは抜群でした。
バックにはかなりの事情がありそうなのはわかるのに、重さを感じさせない雰囲気がとてもよかったです。少年のポテンシャルが高すぎて想像が追いつきませんでした。
『シン・秘密のメスイキおじさん』(描き下ろし)
<感想>
もれなく「メスイキおじさん」になれます!と謎の勧誘を受ける疲れたおじさんのお話でした。夢か現か、おじさんのおまじないが身を結ぶ日がくることを願います。
カバー下あとがきも楽しかったです。たしかにカバーがエレガントかつ上品で、直球なタイトルとの絶妙なバランスがクセになります。
<オススメ要素>
・走る高級ラブホ・幻のドスケベリムジン。
・きれいなおじさんが多め。
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