＜登場人物＞
（攻）江利融（えり とおる）…会社員。霊現象に詳しい。２３歳。
（受）藤森温希（ふじもり あつき）…会社員。オカルト否定派。２５歳。
＜あらすじ＞
ボロボロの木造アパートに住む藤森は、引っ越してきてからやたら寒い上に電化製品が壊れてばかりで疲労困憊。そこへ、同じビルで働く江利が声をかけてきます。藤森のことをやたらと心配する江利は実は霊現象に詳しく、オカルト否定派の藤森に助言をしてくれます。
＜感想＞
初夏なのに寒く、やたらと家電が壊れ、目覚まし時計が鳴らずに会社に遅刻……オンボロアパートで謎の現象に悩まされつつ、すべて偶然や隣人のせいだろうと考えるようにしていた藤森。目の下にクマをつくってだいぶ追いつめられているのが伝わってきますが、藤森は全力で怖がりつつもオカルト系は全否定。見た目はクールな藤森が派手に怖がる様子に、ホラーものとはいえ読んでいて楽しくなってきました。
あとがきで先生も触れていらっしゃいますが、怖いときはエロいことを考えるといいって誰が言い出したんでしょう（すっごく素敵な考えだと思います）。こちらのお話でもそれが存分に活かされていました。
藤森は助けてくれた江利とめでたく結ばれ、怖いときは霊に見せつける勢いでイチャイチャするようになっていく様子はなんだかもう微笑ましかったです。江利の方も、かわいい藤森をギャラリー（霊）達に見せつけてやりたいけど、でも見られたくない気持ちもある……と迷ったりしているので、このふたりは完全にバカップルですね。好青年年下攻とクールな年上受の組み合わせだと思っていたら、付き合ってみればとてもかわいい人たちでした。
終わりの方でも細かいところで意外な展開があって、最後の最後まで目が離せませんでした。実際こんなホラー現象が起きていたら怖くて仕方ないと思うんですが、そんなときは藤森と江利がイチャついてくれるのでずっと楽しかったです。
＜オススメ要素＞
・ほのぼのホラー。
＜関連作品＞
・電子書籍（お試し読みができます。）
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