異国色恋浪漫譚―完全版― 小冊子付き初回限定版 /やまねあやの 【漫画感想】

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 2003年発売の「異国色恋浪漫譚」に、表題作のコミックス未収録分が1話と、「ダブルフェイス」2話を収録しての完全版です。カラーページもそれぞれ収録されていて、描き下ろしは先生のあとがきと限定版の小冊子です。



『異国色恋浪漫譚』(表題作)

<登場人物>

 (攻)アル・ヴァレンティアノ…豪華客船の船長。イタリア人。

 (受)近江鸞丸(おうみ らんまる)…近江組三代目若頭。23歳。


<あらすじ>

 組の三代目若頭を務める鸞丸は、イタリアの豪華客船で結婚式を挙げます。政略結婚だったために初夜からケンカになった鸞丸は部屋を追い出され、バーで出会った船長・アルと一夜を共にします。


<感想>

 旧版は持っていないので完全版との違いはわからないのですが、15年前とは思えないくらいどのページもきれいでした。

 着流し+褌で豪華客船を闊歩する三代目若頭・鸞丸と、情熱的に迫る船長のアル、煌びやかなノリのストーリー展開が楽しいです。

 鸞丸は結婚しているわけですが、お嫁さんの薫はヤクザの家の生まれなうえに付き合いも長いらしく、お互いに組のためと割り切っています。なのでそのあたりの事情が影を落とすことはなく、さらに薫に気がある(?)かもしれない権藤を無性に応援したくなってしまいました。

 それにしても権藤のキャラが濃くて、本編とは離れてしまいますが彼の行く末がとても気になってしまいました。なんだかんだで危ない目に遭う鸞丸を助けてくれましたし、薫を気にかけつつも実は……?なところからも目が離せません。サイドストーリーで明かされた彼の子供の頃の所業もインパクトがありました(あと銀次さんも)。



『恋の案内人』

<登場人物>

 (攻)高岡洋隆(たかおか ひろたか)…大学助教授。眼鏡。

 (受)芹沢亨(せりざわ とおる)…結婚相談所勤務。


<あらすじ>

 研究室にこもりきりで浮いた話のひとつもない高岡は、心配した母親により結婚相談所に入会させられます。そこで高岡の担当になった芹沢は、会員のために熱心に仕事をする好青年。自分の学科にはいないタイプの芹沢に、高岡は珍しく興味を持ちます。


<感想>

 目の前の女性よりも、シャーレの中の乳酸菌のことが気になってしまう高岡先生。冒頭のモノローグのインパクトが強すぎてすっかり心をつかまれてしまいました。

 芹沢と気持ちが通じてからは意外にも高岡先生が情熱的で、さらに眼鏡を外すとずるいくらいにかっこいい。スーツに白衣も眼福でした。



『ダブルフェイス』

<登場人物>

 (攻)吉崎ゆづる(よしざき ゆずる)…樹と父親が同じ。

 (受)松田樹(まつだ いつき)…本妻の息子。大病院の跡取り。


<あらすじ>

 父親の葬式で初めて本妻の息子・樹と対面した吉崎は、2週間後、雨の中1人で座っている樹と再会します。傷ついている様子の樹を放っておけず、吉崎は自分の部屋に樹を連れ込みます。


<感想>

 母親違いの兄弟のお話でした。吉崎と樹は互いの存在を認識しながらも、会ったばかりなせいかガチ兄弟の背徳感はあまり感じられません。それよりも、本妻の息子で平和そうに見えていた樹が置かれている状況に驚愕です。

 とはいえ、愛人の子の吉崎のことは許せないはずなのに一緒にいることを選んだ樹の心境ってとても複雑に思えます。吉崎の方も樹をそのままにしておけないと感じているのはやはり血の繋がった兄弟だからなのでしょうか。

 ほどよく仄暗い雰囲気の中、吉崎の家の猫がとてもかわくて癒しでした。



『初回限定版小冊子』

<感想>

 本編の後日談にあたるお話でした。薫のおかげで組に遺恨を残さずに離婚が成立した鸞丸が、船上でアルと結婚式を挙げていました。ふたりとも和装で、鸞丸の白無垢姿が眩しかったです。



<オススメ要素>

・旧版未収録作を加えた完全版。



※紙本の帯に全サ情報がありました。

<応募者全員サービス>
『初回限定版描き下ろしネーム小冊子』
 「異国色恋浪漫譚―完全版―」帯の応募券を雑誌「drap2019年5~7月号」の応募台紙いずれか1枚に貼付、250円の定額小為替か普通為替を同封もしくは払込金受領証のコピーを貼付で申し込めます。
 応募締切 2019年7月1日(月)当日消印有効



<関連作品>

・ドラマCD付き限定版


・旧版


・CD







・DVD



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