華妻 西野花(著)/笠井あゆみ(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)六浦久嗣(むつうら ひさつぐ)…華道家。39歳。

 (攻)矢橋拓磨(やはし たくま)…ライター。杏の過去を知っている。

 (受)杏(きょう)…久嗣の妻。元花屋。25歳。


<あらすじ>

 同性婚が認められている社会で、華道家・久嗣の妻となって1年が経つ杏。久嗣は事故で男性機能を失っているものの、杏は愛されることで満足していたはずでした。
 そこへ、杏が久嗣に絶対に知られたくない過去を知る男・矢橋が現れます。久嗣の知り合いらしい矢橋は、その日から久嗣と杏の家で同居を始めます。


<感想>

 3Pは3Pでも普通の複数モノとは一味違うお話でした。ロマンポルノっぽいの雰囲気が漂う中、さも当たり前のように繰り広げられるプレイはあまりにもぶっ飛んでいて、それはもう楽しかったです。

 正式な夫婦になってすでに1年が経っている久嗣と杏。久嗣は結婚前の事故によって男性機能を失っているのですが、あの手この手で杏をかわいがり、たっぷり愛情を注いでいます。この久嗣の性癖がいかにも芸術家らしく常人には理解不能な方向に突き抜けているため、杏と物理的に繋がれないことの悲愴感はありません。「愛でる」とはこういうことなのかもしれない、と大変勉強になりました。

 その久嗣がある日突然家に連れてきたのが、ライターの矢橋(巨根)。口絵のブランコは矢橋と杏の思い出シーンでした。これが期待を裏切らないすごいプレイだったんですが、実はこのブランコの衝撃が吹っ飛ばされてしまうほどのインパクトが後半に待ち構えていたのです。

 それが表紙イラストにもなっている、杏を花器に見立てて作品として仕上げるシーン。矢橋の口から「えげつない」という言葉が出てしまうほどの、すさまじいプレイでした。久嗣の愛で方が炸裂しています、圧巻でした。

 きっとこの作品の表紙を見るたび、まずは杏が生きている作品にされたことを思い出し、その後本を開いて目に飛び込んでくる口絵で今度はブランコの衝撃に打ちのめされるのだと思います。


<オススメ要素>

・「絢爛にして重厚」な3P。


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