化け猫かたって候 /早寝電灯 【漫画感想】

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<登場人物>

 (攻)東条喜八(とうじょう きはち)…講談師。化け猫。

 (受)的井草太(まとい そうた)…社畜リーマン。


<あらすじ>

 ホームからふらりと線路内に入ってしまいそうになるほどに疲れていた、社畜リーマンの草太。帰り道に座って休みたくなり、たまたま見つけた寄席に入ります。そこで喜八の披露していた講談に魅了された草太でしたが、突然喜八が猫の姿に見えてしまいます。


<感想>

 すべてが運命のように絡み合っていて、隅々まで噛み締めたくなるお話でした。真正面から何かを訴えかけられたわけではないのに、私も明日を地道に生きてみようという気持ちが湧いてきます。不思議な読後感です。

 18連勤明けであまりにも疲れ果てていた草太は、ふらりと入った寄席で講談をしていた喜八の正体が見えてしまいます。化け猫の存在を知った人間は、相手と生涯の誓いを交わして化け猫のことを口外しないと示さなければ祟られるらしく、草太は喜八と結婚・同棲することになります。

 化け猫講談師の喜八の話し方が常にリズムがあって大変魅力的でした。舞台の上でなくとも聞き手を巻き込んでいく吸引力に抗えず、草太はあっという間に結婚生活に突入。異世界転移のような展開ですが、実は草太は今にも死にそうな状態だった様子。読み返すとああこのとき本当に危なかったんだなと怖くなるシーンもあり、喜八が感じてきた恐怖だったり草太から目が離せなくなるのもよくわかります。

 草太の才能なのか、喜八のように猫耳やしっぽまで出てきてしまうのはとてもかわいかったです。ふたりの寿命の差が縮まったかどうかのはっきりとした言及はありませんが、先生のカバー下コメントにもある通り、そこかしこに希望がちりばめられていた印象です。

 どこから見ても隙なく繋がる巧みな物語に夢中にさせられ、何度でも読み返したくなりました。最後まで読み終わって改めて、タイトルの「かたって」がひらがな表記なところがとても素敵だなあと感じています。もし周りに疲れ果ててぼんやりしてしまっている人がいたら、そっとこちらの本をオススメしようと思いました。


<オススメ要素>

・化け猫講談師×社畜リーマン。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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