史郎くんのいちばんめ。(1) /田中森よこた 【漫画感想】

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<登場人物>

 (攻)市川史郎(いちかわ しろう)…大学生。元遊び人で有名。

 (受)川吉れんげ(かわよし れんげ)…大学生。史郎の恋人。金髪。


<あらすじ>

 れんげと恋人になった史郎は、ヤリサーを卒業しれんげと付き合っていると公言。独占欲を見せ始めた史郎はれんげのバイト先にまでやってきますが、史郎の無神経はそう簡単には変わらず、れんげを怒らせてしまいます。


<感想>

ところで今は何番目でしょうか。』続編です。同人誌で発表済み(電子版も配信中)のお話に描き下ろしを加えて、デイジーコミックスで書籍化されたものだそうです。紙本の表紙カバーがキラキラしていてすごくかわいいです。

 れんげとちゃんと付き合うからとヤリサーを卒業した史郎、本当に一途になっていてびっくりでした。れんげのことがかわいくて仕方ない様子が伝わってきてニマニマしてしまいます。その一方で、れんげは変わらず頭ゆるふわでガードはゆるゆる。そこがれんげのいいところで本当にかわいいのですが、独占欲が強い上に元遊び人の史郎にとって、れんげに悪い虫が付かないかが心配になるのもわかります。

 そこへ前作でもちょっとだけ出ていたれんげのバイトの先輩・渡橋さんの登場。さらにれんげの弟・のえるまで史郎を敵対視し、ふたりの交際がいかに周囲を不安にさせているかがうかがえます。渡橋さんは大人な雰囲気ですが、のえるはちょっと危なっかしいかも……?

 れんげがお兄ちゃんしているときと、史郎を甘やかしているときのギャップもすごかったです。眠れないのえるに同情しつつも、兄のテレセを聞かされる弟の姿には大爆笑でした。

 史郎に対してはっきりものが言えるようになったとはいえ、れんげの恋愛観念は卑屈なまま。史郎についても根が遊び人だからか無神経さはそう簡単には治らず。どんなにお互いが大事でも、まだ信用し合えてはいないところが周囲につけ入る隙を与えてしまうのかもしれません。れんげが他になびくことはない気がしますが、あの弟をどう説得するのかがとても楽しみです。

 描き下ろしは史郎の家にれんげがやってくる可愛いお話でした。史郎がからかっているつもりでも、結局一番大事な主導権はれんげが握っている構図が最高です。


<オススメ要素>

・元遊び人×進化するゆるふわ。


<関連作品>

・シリーズ
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