<登場人物>
(攻)ケイト…スカウト。超イケメン。
(受)柏木千紘(かしわぎ ちひろ)…無職。家探し中。23歳。
<あらすじ>
セフレの家を追い出された千紘は、新たな相手を探していつもの店を訪れます。そこで出会ったすごく好みの男・ケイト。千紘も驚くほどのスピードでホテル直行となりますが、そこでいきなりケイトに殴られてしまいます。
<感想>
某ドキュメンタリー番組を見たような読後感でした。もうずっとあのテーマソングが頭の中を流れています。
決して楽しくはないけれど最後まで読まずにはいられないお話で、この巻で一区切りついてはいますが続きを追いかけるつもりです。苦しさが癖になる面白さでしたが、再読するとしたらすこぶる元気な時にしかできないと思います。
主役となるのは、都会の片隅でどうにか生きている千紘と、壮絶な生まれと生い立ちを持つケイト。ふたりはここまで異なる道を歩んできていたものの、それぞれが抱える不幸に共鳴してなのか同棲することに。いわゆる普通の家庭に生まれたはずの千紘も少しのズレが重なって今の状況になったと思われ、誰でもこうなる可能性があるように思われて怖くなりました。
もしふたりのうちどちらかが幸運を引き寄せるキラキラしたタイプだったら、片方が引っ張り上げられる未来が想像できるのですが……千紘とケイトに関しては夜の街の隅っこで身を寄せ合っているイメージです。しかも這い上がろうとすれば足を引っ張ってきそうな存在の気配が濃い。加治さんが一緒の時だけは雰囲気が明るくてほっとできる瞬間でした。
もはや幸せになってほしいと願うことすらおこがましいように感じてしまい、私の萌は行方不明です。それでも、万引きやら暴力やらが日常の人たちがふいに互いのために見せる優しさにはすごくぐっときました。ここまでくるとただ見守らせてもらえるだけで十分ありがたい気持ちです。
描き下ろしのお話は明るくて安心しました。ふたりのこんな時間が少しでも長く続いてくれるよう祈っています。
<オススメ>
・「謎めいたイケ傷害男×人生底辺ヒモカス男」(帯より)
<関連作品>
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