おっさんだけど聖女です 桃瀬わさび(著)/にやま(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)ヴィーラント…聖女直属騎士。美形。金髪。

 (受)ゼフ…辺境の村に暮らす平民。42歳で聖女に。


<あらすじ>

 辺境の村で畑を耕して暮らしていたゼフ。42歳の誕生日、村にやってきた美形騎士・ヴィーラントの鑑定により、ゼフが長年見つかっていなかった次代の聖女だと発覚します。すぐに聖女として国の穢れを祓い始めたゼフでしたが、状況は深刻。危機を感じたゼフはヴィーラントたち数名の騎士を伴い、穢れのひどい地域へと旅立ちます。


<感想>

 あまりにも好みの作品に出会えて、読み終わってしまった今は高揚と寂しさで呆然としています。すごくおもしろかった……!
 お話は聖女として覚醒したゼフの日常や儀式、浄化の旅、魔王討伐など盛りだくさん。ですが主軸はヴィーラントとの恋物語に置かれている感じで、BLとしてとても読みやすかったです。

 タイトル通り、42歳にして実は聖女だったと発覚した辺境の村のおっさん・ゼフ。こちらのゼフがどこまでも強くて謙虚で非の打ちどころのないおっさんなのです。聖女とは聖人君子のようなお方が選ばれやすいそうで、ゼフの中身はまさに聖女様そのものといった印象。これは惚れる。ゼフを最初に見初めたのがヴィーラントでなかったら、周りの騎士様方はみんなゼフを取り合って大変なことになったのではないでしょうか。

 ヴィーラントもあんなに美形の最強騎士なのに、おっさん聖女の虜になってしまったのが運の尽き。当たり前に自分よりも世の平和を優先するゼフに振り回され、聖女直属の筆頭騎士なのに護らせてもらえず、だんだんと不憫になっていく姿がかわいそうで最高にかわいいです。

 にやま先生のイラストもこれまたびっくりするくらいぴったりで。ゼフなんてどこから見てもゼフそのもの。キラッキラのヴィーラントの隣で戸惑う様子がお似合いです。それもそのはず、桃瀬わさび先生のおっさん萌えの芽生えはにやま先生の作品だったとあとがきで明かされていました。素敵な組み合わせだったんですね。

 物語はこちらの1冊できれいに区切りがついていますが、はやくもふたりのその後を見たい気持ちでいっぱいです。どこかで続きが読めたら本当に嬉しいです。


<オススメ>

・大型犬系美形騎士×おっさん聖女。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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