キャラ文庫アンソロジーⅡ　翡翠　【アンソロジー感想】

＜収録内容＞

＜表紙＞　円陣闇丸

＜収録作品＞
〔ダブル・バインド〕番外編「春の夜の夢」　英田サキ（著）/葛西リカコ（イラスト）
〔暴君竜を飼いならせ〕番外編「暴君竜と初恋の香り」　犬飼のの（著）/笠井あゆみ（イラスト）
〔錬金術師と不肖の弟子〕番外編「錬金術師を招かれざる客人」　杉原理生（著）/yoco（イラスト）
〔美しい彼〕番外編「KISS ME」　凪良ゆう（著）/葛西リカコ（イラスト）
〔FRESH&BLOOD〕番外編「騎士の願い」　松岡なつき（著）/彩（イラスト）
〔不浄の回廊〕番外編「どこにいても、君と」　夜光花（著）/小山田あみ（イラスト）



　キャラ文庫創刊２０周年記念、人気シリーズの番外編が集まったアンソロジーです。

　表紙カバーは線が立体的になっていてとっても豪華。収録作品はおそらくですがすべて書き下ろしのようで、イラストは各作品の表紙が１枚ずつでした。

　既読シリーズは２作品だったので、そちらの感想です。



『暴君竜と初恋の香り』〔暴君竜を飼いならせ〕番外編　犬飼のの（著）/笠井あゆみ（イラスト）

＜登場人物＞

　（攻）竜嵜可畏（りゅうざき　かい）…高校生。超進化型ティラノサウルス・レックス竜人。

　（受）沢木潤（さわき　じゅん）…高校生。美貌ゆえに芸能スカウトが後を絶たない。


＜あらすじ＞

　潤がまだ可畏と出会う前。都立高校のバスケ部の試合で、潤は試合終了間際でシュートを決め、チームを逆転勝利へと導きます。
　盛り上がるファンや取材から逃げるため、友人達と近くのホテルからタクシーに乗ろうとした潤。そこへいかにもな高級リムジンが通りかかります。


＜感想＞

　前半は、潤が可畏と出会う前、双子が生まれる１年以上前のお話から始まります。潤と可畏、それぞれがどんな高校生活を送っていたかが垣間見れます。そして実はニアミスしていたという。可畏はしっかり嗅ぎ分けていました。

　後半は双子が生まれて９日後のお話でした。可畏たちと楽しくバスケをして、潤が学院に来る前に経験していた苦い思い出を上書きしてもらいます。

　ふたりはとても仲良さげですが、なにせ双子が孵化したばかり。いいところで育児に呼び戻されてしまいます。でも嬉しそうに双子のもとへと急ぐふたりはとても幸せそうでした。

・本編　（感想記事はこちらです）



『どこにいても、君と』〔不浄の回廊〕番外編　夜光花（著）/小山田あみ（イラスト）

＜登場人物＞

　（攻）西条希一（さいじょう　きいち）…塾講師。超現実主義。顔も頭もスタイルもいいが、口は悪い。

　（受）天野歩（あまの　あゆむ）…コンビニバイト。人ならざるものが見える体質。


＜あらすじ＞

　西条が珍しく休暇を取れた日、歩と西条は雑誌で見た夜景スポットへ出かけることになります。レンタカーを借りてふたりで出発したはいいものの、車にぶつかりそうになったり、ナビが動かなくなったり、スマホがフリーズしたり……。何かおかしいと気づいたときには、民家すら見当たらない暗い山道でガソリンが切れそうになっていました。


＜感想＞

　『不浄の回廊』でめでたくくっつき、『二人暮らしのユウウツ』で素敵なバカップルへと進化していたおふたり。こちらのシリーズ大好きなので、二作目からだいぶ経った今になっても続きが読めるのがとても嬉しいです。

　まずこのふたりが当たり前のように夜景デートに出発していたことがもう面白いです。デート中の居眠り（？）で西条が浮気しているのを見たと言って、いきなり西条を浮気者呼ばわりする歩（でも心の中では西条の横顔に見惚れています）。相変わらずラブラブなようで何よりです。

　しかし二人揃ってのデートで何も起こらないわけもなく。いつもの調子でいちゃいちゃしながらも、何かおかしい、という不気味な雰囲気がつきまといます。

　車を降りてさまよううちにたどり着いたのは、ふたりにとっての思い出の場所。けれど、そこは本来の目的地から考えるとありえない場所でした。

　オチはこのシリーズらしい、なんとも奇妙なものでした。ふたりの体験が夢ではないことを示す証拠が歩の○○、というのが彼ららしくて笑ってしまいました。

・本編



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