誤算で不幸な恋話 /緒川千世 【漫画感想】

記事内に広告が含まれています。


<収録内容>

「誤算のハート~受験前夜~」 (「世界は君で廻ってる」初回限定封入特典)
「誤算のハート~受験真っ只中~」 (描き下ろし8P)
「誤算のハート~受験終戦~」 (雑誌GUSH掲載)
「終わらない不幸についての話 ~目隠し編~」 (全サ小冊子)
「誤算で不幸な後日談」 (同人誌より再録)
「烏童の弱点」 (「誤算のハート」アニメガ限定特典)
「三城の直してほしい所」 (「誤算のハート」コミコミスタジオ限定特典)
「清竹の知ってる烏童兄」 (全プレペーパー)

「いえない痛みを抱いている」 (同人誌より再録)
「いえない痛みを抱いている2」 (描き下ろし16P)

「いびつな欠片・前日譚」 (同人誌より再録)

「世界は君で廻ってる・きっかけ」 (「誤算のハート」初回限定封入特典)

「Laundry.」 (同人誌より再録)

「誤算で不幸な恋話」 (描き下ろし19P)



『誤算のハート』『終わらない不幸についての話』

<登場人物>

 (攻)烏童隆太(うどう りゅうた)…高校生3年生。一人暮らし。烏童隆之の弟。

 (受)三城俊久(みき としひさ)…高校生3年生。


 (攻)清竹誠司(きよたけ せいじ)…大学生。バスケ部。

 (受)烏童隆之(うどう たかゆき)…大学生。両刀。烏童隆太の兄。


<感想>

 コミックス発売時の特典や全サ全プレ、雑誌掲載のみだった作品から同人誌まで収録されていて盛り沢山です。すでに所持しているものも多くありましたが、こうして1冊にまとまっていると時系列などもわかりやすくて助かります。

 烏童弟と三城は受験戦争を経て大学生に、清竹と烏童兄は就職活動を終えて社会人へ。それぞれが自分達らしい付き合い方をしているのが素敵でした。



『いえない痛みを抱いている』

<登場人物>

 (攻)槙野旬(まきの しゅん)…高校2年生。弓道部のエース。

 (受)槙野栄太(まきの えいた)…高校3年生。旬の兄。


<あらすじ>

 連れ子同士で血の繋がらない兄弟の栄太と旬。いい子で成績優秀な弟に対して、喧嘩三昧で素行の悪い兄の栄太ですが、何年も人に言えない気持ちを抱え続けています。


<感想>

 優しい弟に劣情を抱き続け、フラストレーションが溜まって無茶をしてしまう栄太。兄受が病んでいる感じが緒川先生の兄弟ものっぽくて引き込まれました。

 同人誌再録分のあとに描き下ろし『いえない痛みを抱いている2』が収録されていました。こちらでは兄弟ふたりが最近仲が良くなったと周囲から評判になっていて、これは救済・ハッピーエンドに繋がる流れなのかしらと思ってしまいました。

 ところが、日陰を生きる栄太にとってはそれは望んでいたものではなかったようです。人によって捉え方が変わりそうなラストでしたが、私は嫌いじゃないです。本人達がよければそれでいいので。



『いびつな欠片・前日譚』

<登場人物>

 (攻)実咲(みさき)…弟。拓海よりも優秀。

 (受)拓海(たくみ)…兄。優秀な弟を蹴落としたい。


<あらすじ>

 『ラクダ使いと王子の夜』収録の「いびつな欠片」前日譚。兄の自分よりも優秀な弟を前に、プレッシャーに押しつぶされそうになっている拓海。そんな拓海から向けられる負の感情に気づいている実咲でしたが、ある日拓海が風呂場で嗚咽しているのを見てしまいます。


<感想>

 実咲が兄の拓海に対して劣情を抱くきっかけとなった出来事を描いたお話でした。同人誌で既読でしたが、「いびつな欠片」は何度読んでもものすごい衝撃がきます。ありがちな兄弟の確執も、究極まで煮詰めるとこうなるのかな、と考えると怖いです。



『Laundry.』

<登場人物>

 塚本(つかもと)…後輩。大学生。

 足立(あだち)…先輩。大学生。


<あらすじ>

 なにがし大学なにがし寮のランドリールーム。自分の着ている服まですべて洗濯機に入れ、全裸で待機している足立。そんな足立とふたりきりで洗濯を待っていた塚本が、暇つぶしのため「気持ちいいことしませんか?」と提案してきます。


<感想>

 明るくておバカさんな大学生がその場のノリで一線を越えかける話、かと思っていたら後輩の塚本の方は実は足立を狙っていたみたいです。周囲へのさりげない牽制も忘れない、意外としたたかな人でした。



<オススメ要素>

・特典や同人誌収録の番外編・後日談が収録されています。
・描き下ろしもあり。



<関連作品>

(感想記事はこちらです


(感想記事はこちらです


感想記事はこちらです






(感想記事はこちらです





コメント

タイトルとURLをコピーしました