テディベアの別れ方 /楽田トリノ 【漫画感想】

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『テディベアの別れ方』(表題作)

<登場人物>

 (攻)匡(たすく)…陽生の友人。

 (受)斉宮雪宇(さいみや ゆう)…大学生。実の兄のことが好きだった。


 斉宮陽生(さいみや ようせい)…雪宇の兄。


<あらすじ>

 大学生の雪宇は兄・陽生への不毛な想いを抱え続け、兄の友人である匡に身代わりになってもらっています。
 陽生の結婚が決まると、さらに奔放になっていく雪宇。雪宇を止めなければとわかっている匡ですが、雪宇の可愛さや同情から、触れられると抗うことができません。


<感想>

 時々入る過去の回想では、兄への報われない気持ちを持て余し自分を蔑ろにする雪宇が少しかわいそうになるものの、今の雪宇はちゃんと匡に心が向いていたようなのでそこは安心して読めました。あまりにも切ないお話だったらどうしようとビクビクしていましたが、雪宇がとてもかわいらしいビッチさんなためかそれほど悲愴感はなくとてもよかったです。

 雪宇のことが好きなのに、自暴自棄に生きる雪宇に余計な干渉はせずに身代わり役を務める匡が本当に優しいです。聖人でお母さんでスパダリ……どれも「匡」の名にぴったりな気がします。

 それから、帯でも謳われている「おんぶでも」なシーン。匡の背中でうろたえる雪宇がかわいいです。

 描き下ろしでは仕事で手荒れのつらそうな匡のためにワセリンと手袋を用意した雪宇、このふたりがすると些細なことでもプレイに見えてしまう不思議。この数ページにものすごくいろいろな萌が詰まっているように感じます。

 紙本カバー下も表題作のふたりと先生のあとがきがありました。無垢な雪宇の疑問にテディベアさんの苦労がうかがえます。



『せんせいに触れさせて』

<登場人物>

 (攻)兎谷(とがい)…高校3年。

 (受)秋鹿(あいか)…高校教師。眼鏡。


<あらすじ>

 人肌に弱く、触れられると我慢できない高校教師の秋鹿。酔って外でサカっているところを生徒の兎谷に見つかってしまいます。
 秋鹿は仕事場である学校には最低な自分を絶対に持ち込まないとルールを決めていたため、口止めとして体を要求してきた兎谷に対し、昼休みの5分間だけ顔と手だけ直接触れていいという条件を出します。


<感想>

 誰かと体を繋げているときだけ安心できるという秋鹿先生。大人になって教師という職についてからもそれは変わらず、体が勝手に反応してしまうようです。

 兎谷とは一度離れはしたもの、大学生になってからはまっすぐな気持ちを向けてくる彼といると、秋鹿先生は体がザワつかないといいます。気持ちが向いた相手となら体を繋げなくても安心して過ごせる……すごく萌えました。

 しかし、これって兎谷にとってはものすごくしんどいことなのでは。まあはじめは秋鹿先生のことを脅したりしていたわけですし、兎谷の忍耐力が試されるときなのかもしれません。秋鹿先生は罪なお方です。



<オススメ要素>

・料理上手な攻×かわいいビッチ受。


 地雷注意:受が攻以外と寝るシーンがあります。


<関連作品>

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