<登場人物>
(攻)田辺(たなべ)…インテリヤクザ。大滝組の資金源の一旦を担っている。27歳。
(受)三宅大輔(みやけ だいすけ)…県警のマル暴。既婚。28歳。
<あらすじ>
階段から転げ落ち、気がついたらヤクザの田辺に犯されていた大輔。マル暴の刑事として田辺から情報を得たい大輔は、それ以来自分の身体と引き換えにして田辺と接触を図るようになります。田辺との付き合いを嫌々続ける大輔でしたが、表面上は情熱的に口説いてくる田辺に、次第に深みにはまっていきます。
<感想>
高月紅葉先生の新シリーズ1作目だそうです。電子書籍で発表済みの『インテリヤクザと甘い代償』と『刑事に甘やかしの邪恋』に加筆修正したもの+書き下ろし短編2つが収録されています。『仁義なき嫁』シリーズと同じ世界観で、あちらの主要人物たちもがっつり登場してきますが、初出(電子書籍)はこちらの方が早いよう。ですのでこの本から入っても楽しめる内容だと思います。
時間軸は仁嫁シリーズの周平が若頭補佐に就任していますが、結婚はまだでした。なので『夜明け前まで~仁義なき嫁番外~』よりは後、仁嫁シリーズの前ごろだと思われます。
中心となるのは、大滝組の資金稼ぎ・田辺と、刑事の大輔。大輔が既婚者だったり大滝組の抗争が絡んできたりとシリアス要素が多めかと思うんですが、雰囲気は明るくずっと楽しく読めました。大輔は奥さんとはもうすっかり冷めた関係になっているものの、責任を感じているため簡単には別れようとしません。これが根が真面目な大輔らしいところで、田辺との関係に切なさを加えています。
そして冗談とも取れる軽いノリを装いつつ、情熱的に大輔を口説いてくる田辺。大輔にはさっぱり本気が伝わっていない、というかおそらく大輔側が認めたくないのであろう様子に読んでいるこちらは激しく焦らされました。けれど身体の方はすっかり懐柔されている……途中から田辺が不憫に見えてきてしまい、周平との一件の後、私は全力で田辺を応援しようと決めました。
書き下ろしの短編2つのうち、「そして今夜、恋を」には佐和紀も少し登場しています。結婚前の佐和紀(上下ジャージ姿)を小山田あみ先生のイラストで見られるとは感激です。本編では周平もちらっとイラストになっていました。
<オススメ要素>
・インテリヤクザ×マル暴刑事。
・「刑事に」シリーズ1作目。
<関連作品>
・シリーズ
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