腹黒アルファと運命のつがい ゆりの菜櫻(著)/アヒル森下(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)東條将臣(とうじょう まさおみ)…アルファ。瑛凰学園高等部2年。生徒会長。本家の長男。

 (受)貴島聖也(きじま せいや)…アルファ。瑛凰学園高等部3年。生徒会副会長。東條家の分家の出身。


<あらすじ>

 東條グループ本家の長男である将臣は、幼稚舎の頃から1つ年上の聖也が自分の番であると信じて疑わず、ずっと狙い続けてきました。ところが、中等部時代に聖也も将臣と同じアルファだったことが発覚。一度は落胆の様子を見せた将臣でしたが、高等部になった現在も聖也への執着は消えず、強気に周囲を牽制しています。


<感想>

 オリジナル要素満載のオメガバースでした。ベーシックなオメガバースは制覇してしまったという方にはもちろんオススメですし、「オリジナル」な部分はきちんと強調されてわかりやすくなっているので、オメガバースをあまり知らないという方でも楽しめるのではないでしょうか。

 攻受両方の視点があるのでどちらの考えや思惑も理解しやすかったです。攻の将臣は高校生にしていわゆるスーパー攻様的な風格があり、なんでも思いのままにできているように見えます。幼稚舎時代に聖也を自分の番にすると心に決め、それ以来ずっとハイスペックストーカーを続けています。

 ところが、将臣も聖也も同じアルファ同士。本来ならば番になることはできません。聖也もアルファだと発覚したばかりのころは落胆を隠さなかった将臣でしたが、現在ではなぜか自信満々に聖也を自分の番にする気でいます。美しい容姿の生徒会副会長の聖也には他にもアプローチをかける生徒がいるものの、将臣が影で根こそぎ牽制しているのが読んでいて楽しいです。

 そんなときに、アルファのはずの聖也が突然オメガの発情期のような発作を起こして倒れます。居合わせた将臣に東條家の別邸に運ばれ、発情を鎮めるためという名目で監禁肌色シーンに突入です。

 聖也の身に起きた異変については、聖也の知らないところで少しずつ明らかになっていきます。後半で聖也も知るところとなる将臣の企みと特殊体質が、まさにこちらの作品のオリジナル要素となる部分です。

 運命さえも味方するというエクストラ・アルファ。存分に力を発揮して運命の番を引き寄せた将臣は無敵に見えるものの、それ故に直面することになった裏切りの展開は意外で、でもそういうところには高校生らしさを感じました。

 最後に収録されている短編は社会人編です。まだまだ若いながらも大人になった彼らの様子が垣間見れたことで、むしろ本編ではやっぱり高校生で子供だったんだなと青春がキラキラして見えました。


<オススメ要素>

・オリジナル要素満載の学園オメガバース。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

BookLive!/
Renta!/
コミックシーモア/
eBookJapan/
BOOK☆WALKER


・シリーズ


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