<登場人物>
(攻)三輪椿(みわ つばき)…紅蓮学園2年。銀の長髪。ゲームの黒幕。(受)田中守(たなか まもる)…紅蓮学園1年。前世の記憶がある。転生前は大学生。
<あらすじ>
前世の記憶を取り戻し、自分がBLゲームの主人公に転生したと知った守。攻略対象たちとの恋愛に気が向かない守は、ゲームの黒幕とされる三輪に近づき、せめて学園の平和を守ろうと奔走します。<感想>
想像よりも本格的にサイコパスだった三輪先輩から目が離せず、最後まであっという間に読んでしまいました。守がツッコまずにいられないBLゲーム仕様の世界で、一人異彩を放つ三輪先輩。いろんなものが通じない彼に守がどこまで太刀打ちできるのか、本当にゲームの主人公を見守っているような気持ちになれました。すごくおもしろかったので、続編、どうか出てほしいです。恋愛ルートを避けるために黒幕に近づいたはずが、世の平和のためにはサイコパスに気に入られ続けなければならないという、まるで運命に導かれるようにBL展開に突入していく守。この流れが実によくできていてずっと感心しきりでした。相手は次にどうでるのかまったくわからないサイコ黒幕。ナイフでさくっと急所を刺してきたかと思えば、次の瞬間には熱烈なキスをしかけてくるとんでもないお方でした。
前世は大学生だった守からしたら、三輪先輩は年下攻になるのも個人的に嬉しいところです。精神的には流され年上受の守、あらゆる属性を兼ね備えていてBLゲーム主人公としての完璧さを感じます。
三輪先輩のストレートな言葉を信じるなら、ふたりの関係と帝都の平和は守の気持ち次第ということに。こういう、恋人関係が世の中の情勢に影響する話が大好物なので、ぜひ今後の守の活躍を見守らせてほしいです。
奈良先生のイラストも、イケメンだらけのキラッキラな世界観にぴったりで。イラストの一枚一枚がゲームスチルに本当に出てきそうです。夜光先生のあとがきにもありましたが、奈良先生のキャラデザのBLゲームがあったら真剣に手に入れたいです。
<オススメ>
・ラスボスサイコパス×転生主人公。<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)DMMブックス

コメント