式神の名は、鬼 3 夜光花(著)/笠井あゆみ(イラスト) 【小説感想】
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<登場人物>
(攻)羅刹(らせつ)…封印されていた人喰い鬼。
(受)氷室櫂(ひむろ かい)…陰陽師。妖怪に付き纏われている。26歳。
土井伊織(どい いおり)…櫂の中学時代の同級生。失踪中。26歳。
草太(そうた)…鬼と人間のハーフ。
安倍那都巳(あべ なつみ)…陰陽師。安倍晴明の子孫。
<あらすじ>
行方知れずになった草太を探すも一向に手がかりがつかめないままの櫂。同時に殺人事件が頻発するようになり、櫂は那都巳に伊織探しの協力を仰ぎます。
そんなとき、草太の母親から情報を得たとの連絡が入り、櫂は羅刹を伴い吉野へ向かいます。
<感想>
シリーズ第3巻です。伊織、草太、八百比丘尼、櫂の寿命……などなど問題が山ほど残されていた2巻からの、帯の「完結巻」の文字に本当に終わるのかと最後の最後までドキドキさせられました。しかしこれがすっきり綺麗に終わってくれるのです。ここまで多数のキャラとそれぞれのドラマについて、混乱なく解決に導いてくださった先生はとにかくすごいとしか言いようがありません。
周囲が殺伐とした問題だらけなのに対し、櫂を思いやることを覚えた羅刹がとても良い攻になっていました。はじめはあんなだったのに……と思い出すたび萌がこみ上げてきます。術で無理矢理縛られていた人外攻が少しずつ変化していくこれまでの過程はやはりたまらなかったです。
何がどうなったのかはここにはとても書ききれませんが、濃いキャラがひしめく中、私は河童と千寿さんがお気に入りです。特に笠井あゆみ先生の挿絵に千寿さんが登場するという事実だけでニヤけてしまいます。さらに今回河童が大事なことを言っていたような。推し脇キャラが一瞬の活躍を見せてくれて嬉しくなりました。
すべてを相手に合わせて生き方や信条まで変えるのではなく、それぞれの在り方を尊重した櫂の決断には驚きました。櫂の本心を知った那都巳の、自分とは「全然違ったね」の言葉が印象深かったです。
意外とそんなに悪い奴ではなかった那都巳と、鬼になってしまった草太。読み進めていくにつれて、もしかしてこれは……と感じていたら、先生のあとがきに嬉しいお知らせが。シリーズが終わってしまうのが寂しかったので、新たな楽しみができて喜んでいます。
<オススメ要素>
・シリーズ完結巻。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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・シリーズ
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