ワンルームエンジェル /はらだ 【漫画感想】
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<登場人物>
幸紀(こうき)…コンビニ店員。30代。
天使…白い羽をもつ。記憶がなく、飛べない。
<あらすじ>
コンビニ店員の幸紀はバイト中に絡んできた客にうっかり刺され、やばいといっているうちに目の前に白い羽の生えた天使が現れます。お迎えが来たのかと思いきや、幸紀は病院に運ばれ順調に回復。退院して自宅に帰ると、そこであの時の天使が待っていました。
<感想>
表紙イラスト、カバー下、扉絵と続く演出にぐっと心をつかまれ、本編に入る前に覚悟を決めさせられました。
はらだ先生の2014年発行のコミックス『変愛』に収録の「止まり木」をセルフリメイクということで、登場人物やお話の展開に同じ部分もありつつ、けれどこれはこれで別の世界線のお話、といった印象を受けました。むしろ共通点を見つけるとちょっと嬉しくなるという不思議な感覚です。
30代でコンビニバイトだった幸紀と、死に際(?)に突然現れた天使。天使とはいっても本人がそう主張しているだけで、記憶がなく、飛ぶこともできないために幸紀の部屋で一緒に暮らし始めます。
そして少しずつ明らかになっていく幸紀の事情や、天使のこと。複雑な人間模様から謎解きっぽい要素までいろんな伏線があちこちに張り巡らされていて、とにかく濃かったです。
一番驚いたのは、幸紀の弟について。キャバクラになんとなく見たことのあるような女の子がいるな、と思ったら……。弟の名前から、この兄弟の名字も推測できます。『よるとあさの歌』でも存在感のあった彼にこんな過去があったとはびっくりでした。言われてみれば確かに似ているような。
そして描き下ろしで感極まった後に迎えた本当のラスト、意味深なQRコードに導かれるままたどり着いた先に待っていたのは、とても凝った素敵な演出。これにはさすがに涙腺が緩みました。
<オススメ要素>
・コンビニバイトの30男、天使と同棲。
<関連作品>
・電子書籍
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・「止まり木」収録
コメント
先生と作品への愛が詰まった考察に、
改めてワンルームエンジェルのすばらしさについて考えさせられました。
アブノーマルな世界観で人間臭い人物を描けるって、
本当にすごいことですよね。