＜登場人物＞
（攻）椎名塁（しいな るい）…アイドルグループの王子様担当。裏表が激しい。
（受）阿木嶺人（あき みねひと）…インタビュアー。編集。
＜あらすじ＞
編集者の嶺人は、アイドル・椎名塁に魅力を感じ、売れない頃からインタビュアーとして共に仕事をしてきました。かつて塁の二面性に気圧された嶺人は、自身も大きな秘密を抱えていましたが、ある日それが塁の知るところとなってしまいます。
＜感想＞
アイドルグループでは王子様を担当する塁は、ステージ以外ではイメージとは異なるガサツな性格。そんなところにも嶺人は魅力を感じていたようですが、実は嶺人自身が、夜になると女装して出かけているという秘密を抱えています。
そんな嶺人でしたがクラブで偶然塁と鉢合わせしてしまい、秘密がバレて大慌てです。これが塁にとってはずっと気になっていた相手に近づくチャンスだと思えたのに対し、誰にも言わずにひとりで女装することでバランスをとっていた嶺人にとっては大惨事だった様子。塁がここぞとばかりに踏み込んでいくほどに嶺人にとっては苦しい状況に追い込まれ、ノリはコミカルでも嶺人の焦りは胸に迫るものがありました。
とはいえ、おそらく無意識に塁を翻弄しまくっている嶺人も、アイドルの塁に負けず劣らず魅力的です。酔っ払ったときの言葉だったり、自分から「チュー」してきたり。女装はバッチリ似合っているし、罪深いお方です。
塁が嶺人の女装姿でしたいと言ってきたときは少し意外に感じたのですが、その流れで「どっちだってよかったんだ」に繋がっていく展開には心の底から感激しました。すっごく良い絡みシーンでした。
自分１人の秘密でいいと思ってきたことでも、それを共有し肯定してくれる人が現れたらきっと泣くほど嬉しい……そんな気持ちを疑似体験させてもらえた気がします。明日の自分は何になるか、かわいい魔法少女の声が遠くから聞こえてきそうです。
＜オススメ要素＞
・二面性アイドル×秘密を抱えるインタビュアー。
＜関連作品＞
・電子書籍（お試し読みができます。）
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