52ヘルツの共振 /早寝電灯 【漫画感想】

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<登場人物>

 (攻)清成涼梧(きよなり りょうご)…アルファ。旅行代理店勤務。

 (受)白根武史(しらね たけし)…オメガ。高校教師。あだ名は武士。


<あらすじ>

 高校で教師をしているオメガの白根は、修学旅行の打ち合わせで学校を訪れた旅行代理店の清成と再会。高校の同級生だったふたりは思い出話に花を咲かせますが、アルファの清成に影響された白根はその場でヒートを起こします。


<感想>

 なにが良かったかを挙げ始めたらキリがないくらい全部が素敵なお話でした。オメガバースの、一見すると過酷な世界で生きるすごく優しい人たち。この設定ならではのつらさみたいなものはそんなに表に出てこないのでとても読みやすく、けれど大変な世界で当たり前に暮らしているからこそこんなに優しくなれるのかな、と考えさせられたりしました。自分の性別を受け入れてはいるけれど、それでも思い通りにならない身体への戸惑いや恋愛相手との向き合い方が丁寧に描写されていて、宝物のように大事に読み返したくなります。

 白根と清成がそれぞれ自分の気持ちに気が付いていく過程もよかったです。そこからの潔すぎる告白も、白根らしさ全開ですごく自然な流れに見えます。この「白根らしさ」もオメガ性に裏打ちされた説得力のあるキャラクターで、完璧さすら感じられるかわいさでした。清成が惚れるのも納得です。

 清成も白根も、自分やお互いについてすごくよく考えている感じがします。オメガの白根がうなじを押さえるのを見て待つ選択をしたり、アルファの清成だって傷ついてきたことに配慮できたり。思いやりとはこういうことだと教えていただけた気持ちです。好きな気持ちがあったとしても、その先に進む前に必ず相手の意志を確認し、尊重して待てる大人。アルファやオメガに生まれたから身についたのだとしたらちょっとだけ悲しさも感じますが、そんな悲哀もあってよかったと思えるくらいふたりが愛し合っているのが最高に萌えます。

 描き下ろしも信じられないくらい萌えが詰まっていました。この人たちめちゃくちゃお互いのこと好きじゃないですか……いいもの見せていただきました、ありがとうございます。


<オススメ>

・オメガバースの最高傑作(帯より)。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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