君にはふれると鳴るとこがあって /早寝電灯 【漫画感想】
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<登場人物>
(攻)矢戸樹(やと いつき)…高校生。人の気持ちを察するのが得意。
(受)香野灯司(こうの とうじ)…高校生。口下手。人の体温が苦手。
<あらすじ>
通学中の満員電車で、コードが樹のボタンと絡んでしまった灯司。そこで器用に対処してくれた樹にお礼が言えなかった灯司は、自分の口下手さに自己嫌悪に陥っていました。
その後偶然再会し、灯司が懸命にお礼をしたことでふたりは友だちに。人付き合いが苦手な灯司でしたが、事情を知った樹は灯司と一緒に遊んでくれるようになります。
<感想>
家の裏手にある山の中でなら自然体でいられるのに、人との接触や付き合いが苦手な灯司。いざというときにまごついてしまって、そんな自分をふがいなく思っている……という描写に最初から心を打たれました。なので灯司がコミュ力抜群の樹に惹かれていく姿はとても自然な流れに見えました。
普段は対照的なところで暮らしていたふたりが、樹は灯司をゲーセンへ、灯司は樹を山へ連れて行きます。この展開の中でふたりが距離を縮めていくところにああいいな、青春だな友情ってこうやって育まれていくんだなとしみじみしました。
そして灯司にとってはなんでもできてしまう樹でしたが、樹は樹で思うところがあった様子。樹の兄との話を聞いたところから、ふたりが互いの気持ちをそれぞれ自覚するまでがとても素敵でした。「裏表じゃない」の言葉が読むたび胸に沁みます。
その後ちょっとすれ違いがあり、灯司に避けられていたもののついに痺れを切らした樹がかっこよかったです。体育祭での応援団衣装は反則でした。
それから樹の友人のハチとコオロギのふたりもすごくいい味出してました。このふたりから見た樹の印象が私にとってはちょっと意外で、すごく良く見てるんだなとひたすら感心するばかりです。
特にファンタジー的な不思議要素はないはずなのに、お祭り風景を挟むせいか良い意味で現実感がなく、どこか幻想的な雰囲気のある物語でした。早寝電灯先生の既刊のように胸がぎゅっとなるのも好きなんですが、こういうずっと優しい空気に包まれているお話も安心して読めるので大好きになりました。
<オススメ要素>
・爽やかで優しい高校生の青春。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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