<登場人物>
(攻)冴島玲志(さえじま れいし)…社会人。中3のときから幽霊が見えていた。(受)依良(いら)…社会人。基本在宅。ものごころついた頃から幽霊が見える。
<あらすじ>
玲志と依良は、どちらも幽霊が見えることで意気投合しルームシェアを始めて1年。しかし玲志は突然幽霊が見えなくなり、お互いだけが共有していたものを失ったことで焦りを感じ始めます。<感想>
幽霊が見える共通の特異体質で繋がっていたふたりのうち、ひとりだけが見えなくなったら……共通点を失ってはじめて相手のことが見えてくるって、大なり小なり誰の日常でも起こりそうです。それが恋愛に発展していく過程をこんなに掘り下げて見せていただけるのって本当にすごい。思いやりって、こういう人たちのための言葉なんだろうなと心に深く染み入る感じがしました(早寝電灯先生の作品に触れる度に思っている気がする)。私は誰かについてこんなに丁寧に、優しさを持って考えたことがあっただろうかと、思わず自分の人生を振り返ってしまいました。
依良が玲志に体を許す理由が切実で、正直申し訳ないほどに萌えました。実は玲志よりもだいぶあちら側に近いところにいた依良にとって、自分の存在を確かなものに感じさせてくれるのが玲志、となるのが特別感すごくて萌転がっています。玲志があえて依良に目を閉じさせないのも最高でした。
お話を読んでいる間、本のカバー袖にあった先生のお言葉が常に頭を過ぎっていました。「どのみち同じものを見ているかは分からない」って、本当にその通りだなぁと何度も腑に落ちる感覚を味わっていました。相手の見えている世界が違うと認めて、何が見えているかを想像する。なんという優しさ。私もそんな人間になりたい。
描き下ろしもめちゃくちゃ良かったです。外ではおそらくかっこよくて仕事もできて経験も豊富そうな玲志が、画面の向こうの「友達」への敗北感で苦悩している様子に依良のことが大好きなのが伝わってきます。同時に依良の当時の状況も考えてフォローするところに、深い愛情を感じました。
<オススメ>
・幽霊が見えなくなった男×幽霊が見える男(帯より)。<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)DMMブックス【電子限定描き下ろし付き】
