君の隣で揺られて /にやま 【漫画感想】

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『君の隣で揺られて』(表題作)

<登場人物>

 (攻)丹羽順平(にわ じゅんぺい)…開発部。ゲイ。27歳。

 (受)椎名亮(しいな)…総務部。本社から異動してきたばかり。32歳。


<あらすじ>

 朝早くに出勤している丹羽は、最近本社から異動してきた椎名が早朝のバス停に並んでいるのを見かけます。椎名のことが気になっていた丹羽は、雨の日にバスを待っていた椎名を車に乗せて送りますが、途中で椎名が発作を起こしてしまいます。


<感想>

 誤解から周囲とうまくいかなくなった過去のある人に優しく寄り添う、穏やかでいいお話でした。

 痴漢の疑いをかけられてしまったことで地方へ異動してきた椎名さんと、ゲイであることを勝手にバラされ一部からキツい態度をとられている丹羽さん。どちらも大変そうではありますがそれほど重い空気ではなく、とにかく丹羽さんサイドの人たちがみんな優しくていい人たちでした。丹羽さんが年下ながら中身も含め本当にいい男で、それで理解ある人が彼のまわりに集まってくるのかな、と感じられるほどです。

 大げさではなく押し付けがましくもなく、パニック障害を持つ椎名さんと一緒に「隣で揺られて」支えてくれる丹羽さんは、ちょうどよく下心ものぞかせてくるあたりがかわいくて、モテるのがよくわかります。丹羽さんの優しさが披露されるたび、佐川さんの未練にも納得がいってしまい憎めなくなってしまいました。

 描き下ろしでも、椎名さんのデレに大喜びする丹羽さんが椎名さんを心底大事にしているのが伝わってきます。どうしてこんなに優しいお話が描けるんだろう、と思っていたら、あとがきに先生ご自身の体験が書かれていました。私自身にも少しだけ似たような経験があったせいか、ここでさらに大きな安心の気持ちをいただけました。



『狐にくちづけ』

<登場人物>

 相田良太(あいだ りょうた)…転入生。オカルト好き。眼鏡。

 白神聖(しらがみ ひじり)…キツネ色の髪に切れ長の目。相田の隣の席。


<あらすじ>

 田舎の学校に転入してきた相田は、神社で目を惹く容姿の白神を見かけます。学校で白神と隣の席になった相田がミステリアスな白神について妄想をつのらせていたところ、神社でまるで狛狐のように座っている白神を発見します。


<感想>

 田舎に転入してきたオカルト好きの相田にとって、まるでキツネのような金髪で目を惹く容姿の白神はさぞかし神秘的に映ったのだろうと思います。そんな白神が神社で狛狐の真似事をし、しかもおいなりさんを食べているとあっては、錯覚を覚えてしまうのも無理もないと微笑ましくなりました。

 携帯の電波も届かない田舎、普段は同じ学校の生徒にも遠巻きにされていた様子の白神にとって、相田のリアクションはとても嬉しかったのではないでしょうか。相田のことをからかってしまったのも、照れ隠しだと思えばなんてかわいい人なのだろうと思えてきます。

 普通の恋する少年同士のかわいくてほんわかする青春のお話に、少し幻想的な雰囲気が加わってさらにあたたかい気持ちになれました。カバー下漫画も「意外性のあるお母さん」がとってもよかったです。



<オススメ要素>

・優しい攻×ミステリアスな受。



<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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