蜜果１　/akabeko　【漫画感想】

蜜果　1

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akabeko シュークリーム 2021年07月07日

＜登場人物＞

　（攻）貴宏（たかひろ）…風俗店の店長。元はタチナンバーワンのウリ専。

　（受）レオ…ノンケの売れっ子ホスト。

　（攻）大倉（おおくら）…貴宏の店でボディーガードをしていた。

　（受）司（つかさ）…元ナンバーワンコールボーイ「りんご」。

＜あらすじ＞

　貴宏の店に挨拶にきた司と大倉。二人がロッカーを片付けるのを貴宏が待っていると、同棲中のホスト・レオが迎えにやってきます。その場で手を出してきた貴宏に、仕事みたいな真似をするなと嫌がるレオ。すると貴宏の様子が突然変わり、レオにキスマークを付け始めます。

＜感想＞

　連載中、こんなに次の配信が待ち遠しかったことはありません。この萌をどなたかに知ってほしいと思うのに、好きなものを語りたいときほど語彙力が失われていく現実。個人的な思い出を語り始めたらきりがないので、私は今店長とレオくんの幸せを全力で応援していて、akabeko先生にはとにかく感謝の気持ちでいっぱいなことだけは最初に書いておかせてください。

　『蜜果１』は『落果』の続編で、店長×レオがメインのお話です。１話には大倉とりんごさんも登場しています。『落果』では店長とレオくんの出会いと再会が描かれていて、『蜜果』になるとすでにふたりは同棲中。この同棲に至るまでの経緯は、とらのあな特典の小冊子に再録されているペーパー、もしくは『落果ドラマCD』に収録されているボーナストラックで知ることができます。

　そして蜜果Epsode.Ⅰは、『落果ドラマCD』の特典CDに収録されていたお話。これ音声だけでもずっと萌え転がっていたので本当に嬉しかったです。あのときどんな表情だったのかなとひたすらに妄想していたあんなシーンやこんなシーンが目の前に現れたときの感動はとても語り尽くせません。全体の流れはCDと同じですが、「天井超え」が見られるのは漫画のみ。しかも当たり前に職場に迎えにくるってもう普通に恋人じゃないですか。ラッブラブじゃないですか。そりゃお店のスタッフさんたちにも認知されるってもんです。

　はじめはセフレの延長という認識だった様子のふたり。でも実はお互いに独占欲や執着心を持っていて、それぞれの「らしい」形で現れてくるのがたまりません。特に店長は普段の感情の起伏や考えていることが見た目からはわかりづらいため、ちょっとした言葉やついにキレたときの破壊力が凄まじい。かわいい恋人を掌の上で大事にしているつもりでも、少しでもどこかへ行こうとしようものなら握り潰す勢いで阻止してきそうな店長が大好きです。

　レオくんは表情や行動がわかりやすくていつでもすごくかわいい。でもそんな彼のモノローグって蜜果になって初めて見たような（私の思い違いだったらすみません）。店長はさりげなく「好き」って言葉に出しているのに対し、レオくんの気持ちの決定打を見つけられずにいたのですが……それがついに３話ではっきり「大好き」のモノローグが出てきて、もう踊り出したいぐらい嬉しくなりました。やはりあんずさんの存在は大きかったです。

　萌えたシーンを挙げていったら１コマごとの実況になってしまいそうなくらい、すべてを食い入るように眺めてしまいます。単行本になって背景やキャラの表情がより美しく感じられる箇所もたくさんあって、新鮮な気持ちで読めました。

『アニメイト限定特典２８P小冊子』

＜感想＞

　アニメイト限定版を購入すると描き下ろし小冊子が付いてきます。裏表紙には２巻の表紙イラストがあるので、広げると１、２巻の表紙をつなげて眺められる贅沢仕様。ありがとうございます。お話は本編のその後となっているので、２巻まで読んでから開くのがオススメです。

　会社勤めになったレオくんは、夜職の店長とは生活リズムが合わず晩御飯を一緒に食べられないことも。ひとりきりで食事するレオくんが切ないですが、店長のリクエストが牡蠣だったのには笑ってしまいました。精力つきそう。

　そしてほんのちょっとですがレオくんの会社員っぽいスーツ姿が！！朝から出社してるんですね……偉い。そんなすれ違い生活のせいで、毎日中途半端な状態で店長にヤリ逃げされてしまうレオくん。いいタイミングで店長を捕獲してやろうと奮闘してくれます。

　ようやくいっぱいできる日がきたけれど、我慢していたのは当然店長も同じ。早々に音を上げつつも、ちゃんと嬉しい気持ちを伝えてくるレオくんは世界一かわいい。キレ気味に見える店長も、フラフラの恋人のかわいさを堪能したに違いないです。

　本編のその後もふたりが一緒に歩んでいるのがわかる、甘さがギュッと詰まった素敵なお話でした。単行本と他の特典と一緒に、宝物にします。

＜オススメ＞

・『落果スピンオフ』続編。

＜関連作品＞

・電子書籍（お試し読みができます。）