＜登場人物＞
（攻）志田アオト（しだ あおと）…保育園の新任保育士。
（受）山野武（やまの たけし）…タケ。シングルファーザー。元ヤン。
山野健（やまの たける）…コタ。タケの息子。
＜あらすじ＞
嫁に逃げられシングルファーザーになったタケ。ようやく決まった保育園に息子を連れて行くと、タケの中学の同級生・アオトと再会します。子供が生まれてから友人たちと疎遠になっていたタケは、保育士としてコタの面倒を見てくれるアオトを家に誘います。
＜感想＞
電子配信を楽しく追いかけていた作品なので、単行本で手に取れて嬉しいです。最初の２ページだけがものすごく不穏で何度読み返してもドキドキするのですが、内容はほどよくほのぼのしていて癒されます。そして見事に子育てとBLが両立している、とても優しいお話でした。
親の助けがあるとはいえ、仕事をしながらひとりで子育てって相当追い詰められる状態だと思います。タケとコタがどうにか頑張って生きていたところに、アオトの存在はどれだけ救いになっただろうと考えると涙が出ます。まるでタケの鏡のように眉間にしわが寄っていたコタが笑ったとき、見ているこちらまでが救われたような心地でした。
中でも一番心惹かれたのは、タケとアオトが要所でしっかり親の顔や「お父さん」を休憩してくれるところでした。たとえ家族愛が主軸のお話だったとしても、私はBLにおいては主役達に性愛で繋がっていてほしいという願望があるので、その理想を叶えてもらえたように感じられて嬉しいです。
そんな理想の子育てBLを支えてくれたのが、カバー下でも触れられている偉大なる「ババア様」。息子も孫もそのまま愛してくれるババア様のおかげで誰も邪魔者に感じず、ずっと優しい雰囲気が味わえました。
描き下ろしもアオトのムッツリ感が炸裂していてかわいかったです。きっとすべてを悟っていらっしゃるのであろうババア様の最後の表情がツボでした。
＜オススメ要素＞
・真面目な保育士×元ヤンシングルファーザー。
＜関連作品＞
・電子書籍（お試し読みができます。）
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