逃避行じゃあるまいし /タクアン 【漫画感想】

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 お話は全部で3つ収録されています。あらゆる角度から性癖を刺激される、私の好みど真ん中なものばかりでした。



『逃避行じゃあるまいし』(表題作)

<登場人物>

 (攻)知野半治(ともの はんじ)…黒髪、ほくろ。元警官。年下。

 (受)斧原学(おのはら まなぶ)…ヒゲ。年上。


<あらすじ>

 恋愛で失敗したくない学は、自衛のため一番いい時に恋人の前から姿を消しています。今回もマッチングアプリで出会った年下の恋人・半治に何も言わずにいなくなった学。しかし、学が帰宅すると住所も知らないはずの半治が家の前に現れます。


<感想>

 性癖をグリグリと刺激される作品に出会ってしまい興奮を抑えるのが大変です。お話は前中後編の全3話で、主人公たちのことは名前くらいしかわかりません(苗字はカバー下で知りました)。そんななんとなくな雰囲気の中、急にぽろっと明かされる過去に激しい説得力があったりして何度も唸らされました。

 ストーカー男と逃避行男の楽しいプレイを見せつけられているだけかと思いきや、半治は自分の欲望の押し付けを心配したり、学さんはあそこまで追いかけ回されてもまだ捨てられるかもと怖がっていたり。お互いを思いやっているのがなんだかかわいくて激しく萌えました。

 しかもふたりの表情がどれも絶妙で何度も見比べたくなります。半治は学さんを追いかけているときが怖いほどに楽しげだし、学さんの半治に見つかったときの怯えと喜びが混ざった顔なんかもうこれはたまらんだろうなと半治に共感を覚えてしまうほどです。

 描き下ろしもすっごくよかったです。当たり前のように変態的犯罪をやってのける半治とそれを受け入れてくれる学さんに萌えずにはいられない。ふたりの一生を眺めさせてほしいです。



『恋しさ募って』

<登場人物>

 (攻)南乃雄太郎(みなみの ゆうたろう)…大阪在住。ムキムキ。

 (受)巽准市(たつみ じゅんいち)…東京で働いている。大阪出身。眼鏡。


<あらすじ>

 出張で東京にきた雄太郎は、同じ大阪出身で東京に住んで1年になる准市と久しぶりに再会。ふたりで飲みに行きますが、雄太郎が大阪へ帰るため駅へ向かう途中、寂しくなった准市が泣き出してしまいます。


<感想>

 関西弁同士の軽快なやりとりに笑いながら萌え転がりました。

 根がマジメなムキムキ・雄太郎と、意外とグイグイいくタイプの眼鏡・准市。おそらくは雄太郎の方が片想いを自覚して長く、しかもロマンチストなんだと思います。そんな雄太郎が、冷静でいようとするのに結局はヤケクソになってしまうのがかわいい。まあこんなに奥手そうに見える准市に迫られたら色々大変なのもわかります。

 描き下ろしがちょっとだけ切なかったです。幸せな証拠なんですけどね。タイトル「パーティの後はいつもさみしい」が沁みます。



『そういうの早く言ってよ!』

<登場人物>

 (攻)冬野圭太(ふゆの けいた)…スーツ。敬語。

 (受)十波明夫(となみ あきお)…スーツ。


<あらすじ>

 付き合って半年になる圭太と明夫。圭太のセックスの誘いを明夫はふんわり断り続けており、限界を迎えた圭太はせめて明夫の裸を目に焼き付けたいと懇願します。


<感想>

 互いの呼び名が「圭太くん」と「明夫さん」なので、部下×上司あたりでしょうか。付き合っているのに心の準備ができていないからと圭太くんの誘いを断り続けている明夫さん。ネタバレになりますが、明夫さんは全身毛深いのがコンプレックス。明夫さんの身体がけっこうちゃんと描かれていてフェチ心をくすぐられます。

 そしてラストシーンがすごい迫力!毛深さがいい仕事をしていらっしゃいます。雄み溢れる明夫さんにこの後の妄想が滾りました。最高です。



<オススメ>

・ストーカー気質の元警官×逃亡癖。



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