プリンシプル /さちも 【漫画感想】

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<登場人物>

 (攻)八代(やしろ)…一級建築士。

 (受)山城寛太(やましろ かんた)…大工。腕が良い。


 関(せき)…工務店の棟梁。既婚者。

 辻望(つじ のぞむ)…大工。山城の同僚。


<あらすじ>

 既婚者の棟梁・関に片想いしていた山城。今では自分に細かいルールを設け、30歳以上の童貞と1回限りの関係を持つ日々を送っています。
 そんな山城の職場に出入りしている一級建築士の八代。山城がノンケ童貞を逃してしまった夜に声をかけてきた八代は、34歳魔法使いを名乗り山城を部屋に連れ込みます。


<感想>

 自分の性癖をオープンにしている山城は、ところ構わず仁王立ちでおっ勃てる明るく腕の良い大工さんです。ふざけ半分なノリで棟梁の関さん(既婚)に大胆なスキンシップを取っていますが、これが以前は本気だったようなのが切ないです。

 山城には自分で決めた細かいルールがたくさんあります。相手を見つけるときはノンケ魔法使い、同じ相手とは寝ない、相手には目隠し、などなど、本気になって自分が傷つかないための条件がいたるところで出てきます。

 そんな山城の前に現れた八代。山城の同僚・辻を懐柔したらしい八代は、山城のルールを知ったうえで34歳魔法使いを自称し山城と関係を持ちます。ところが、後に八代は29歳非童貞だったことが発覚、嘘を吐いていたこと自体はバレバレではあったものの、山城を狙っていろいろ画策していたことが少しずつ明らかになっていきます。

 八代は明るく楽しい雰囲気で山城をストーカーしてくるので、ドロドロの執着もの、という感じにはならず不思議と楽しい気持ちで読めます。ニコニコ笑顔で神出鬼没の八代の執着心ってけっこう凄いと思うんですが、自分で自分をがんじがらめにしている山城を落とすにはこれくらい強引にいかないとだったのかも、と考えればお似合いのふたりに思えました。

 前半は余裕のストーカーだった八代、後半に入ってたまに年相応の必死さみたいなものが現れてくると途端にかわいく見えました。描き下ろしもなんだかんだでうまくいっている様子でよかったです。

 山城の職場の関さん、辻さんもいいキャラをしていて目が離せませんでした。辻さんはどこまでも本性が読めない感じがかなり好みです。そしてそれ以上に関さんの前職(?)には驚きました。昔の怖い辻さんに声をかけたということは、まあそういうことだったんだなあと妙に納得してしまいました。


<オススメ要素>

・エリート建築士(ストーカー)×褐色大工(ビッチ)。


<関連作品>

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