<登場人物>
久瀬(くぜ)…クズ。下條の高校時代の同級生。
下條(しもじょう)…ゲス。インテリヤクザ。
<あらすじ>
人を見下し続け、刺激を求めてインテリヤクザに身を堕としている下條。人生勝ち組負け知らずの下條でしたが、高校時代に久瀬に初めて見下されます。
落ちぶれた姿の久瀬と再会した下條は、暇つぶしに久瀬を自宅に連れ帰り複雑な心境の中で飼いはじめます。
<感想>
現在と過去の回想が何度も入れかわり、いつ、誰のセリフなのかを考えながら読むのが楽しかったです。読解力皆無の私には正直判別できないものもあったんですが、それもまた話に引き込まれる要因になっていました。
帯に「攻め×攻め」とある通り、もとはどちらもタチで、ふたりのポジション争いもまたおもしろかったです。最終的に決着はつくんですが、下條のどこか譲ってあげた感に心底萌えました。タチ争いの末にネコにまわった方って、ものすごく愛ある男前に見えるんです。「何の事だか?」の下條の表情がもう本当にたまらなかったです。
ふたりが関わっている裏社会で起こっていることだったりそれぞれの気持ちについては多くは語られないので、いろいろと妄想が膨らみます。殺伐とした雰囲気の中で表面上の甘さは見られないのに、なにげに互いを気にしていたり思いやったりしているのがチラついてその度にぐっときます。
本編のあとには番外編、描き下ろし「明日の香り」が続きます。ここでの下條がさらによかった。まさに攻めを喰う受、ここまで男らしく久瀬に乗っかってくれるとは全力で拍手を送りたい気分です。ここでも微妙に変化する下條の表情が絶妙で心をくすぐられました。これ、この感じが見たかったの!とかねてから抱いていた理想を叶えていただけた気分です。
それからカバー下まで世界観が続いていておおっとなりました。黒いカバーからのギャップに粋な演出を感じます。綺麗でした。
<オススメ要素>
・クズとゲスのポジション争い。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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eBookJapan/
BOOK☆WALKER
・CD
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