<登場人物>
(攻)新道直太郎(しんどう なおたろう)…α。政治家。若手議員ナンバーワン。
(受)末永千広(すえなが ちひろ)…Ω。警備会社勤務。1人で息子を育てている。
末永尚海(すえなが なおみ)…α。ナオ。千広の夫。事故で亡くなっている。
末永未来(すえなが みく)…千広と尚海の息子。保育園児。
<あらすじ>
駆け落ちした運命の番に先立たれ、ひとりで子供を育てているΩの千広。仕事で警護についた若手議員・直太郎の前で突然ヒートを起こして以来、直太郎に自分と番になるよう迫られています。
<感想>
すごいお話でした。番を亡くした系のオメガバースは描かれ方によってはしばらく何も読めなくなるくらいのダメージを受けそうで、かなりの覚悟が必要だったのですが……それがヤマヲミ先生の手にかかれば何度も読み返したい明るく楽しい夢のあるお話に仕上がっていて、今は感謝の気持ちでいっぱいです。
Ω手ひとつで子供を育てるのはとても厳しい世の中で、いい具合に開き直りつつ懸命に生きている千広。運命の番を亡くしてもヒートがなくならず、かわいいかわいい未来だけが生きがいの生活は相当ギリギリのようです。そこに現れた若手議員の直太郎。身体だけはお互いに「運命」の反応を示し、千広が戸惑いつつも直太郎のタオルを手放せない様子に笑いが止まりません。
その上直太郎の中には千広の死別した夫「ナオ」の人格が存在するようで、まるで二重人格のように切り替わる直太郎とナオ。その真相は実は序盤から匂わされていたのですが、私は全く気が付かず。そしてついに理由を知らされたときの千広のセリフに、これ全員が本当につらかっただろうな、と考えると切なくて泣きそうになります。
「死んでもそばにいる」を体現してくれるαはそうそういないのではないでしょうか。生まれつき優秀なα様の凄まじいまでの執着が、すべてをハッピーエンドに導いてくれたんだと信じています。
描き下ろしでの直太郎がちょうどいい溺愛攻になっていて、この2人なら本当に世の中ごと変えてくれそうな気がしてきます。恒例のあとがきも爆笑でした。しかも今回は読者思いの4段組仕様。私もあとがきアワードに一票投じさせていただきたいです。
<オススメ要素>
・運命の糸を結びなおすオメガバース。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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