パブリックスクール―檻の中の王― 樋口美沙緒(著)/yoco(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)エドワード・グラームズ…エド。7年生。名門貴族。監督生で寮代表。

 (受)中原礼(なかはら れい)…5年生。エドの義弟としてリーストンに入学。


 オーランド・マーティン…6年生。フランスからの編入生。


<あらすじ>

 12歳で母親を亡くした礼は、父方の親戚に引き取られ渡英。名門貴族に囲まれ過酷な毎日を過ごす中で、礼は唯一優しくしてくれたエドワードに恋をします。
 その後礼はエドワードの義弟として同じパブリックスクールに入学したものの、途端にエドワードの態度が豹変。エドワードは礼に冷たくあたるようになり、さらに誰とも関わらないよう言い渡します。


<感想>

 しがらみを背負わされた名門貴族の子どもたちの、静かな戦いの様子がまるで映画を見ているようでした。冒頭からぐいぐい引き込まれ、大人気のシリーズなのも全力で頷けます。私は完全に乗り遅れてしまいましたが、勇気を出して手に取ってみて本当によかったです。おもしろかった!

 基本は受の礼からの視点で進むので、彼の生い立ちの悲惨さは目を覆いたくなるほどでした。そんな中でほんのちょっと優しくしてくれたエドに礼が全てを捧げてしまうのも仕方なく思えます。しかしいくら礼が盲目的だからといって、リーストン入学後のエドの仕打ちはあまりに厳しい。それでも健気にエドを想い続ける礼は聖人のようでした。どうか礼がはやく報われますよう願わずにいられません。

 ですが礼の成長とともに周囲の状況が見えてくると、印象も次第に変わっていきました。礼もエドもみんなまだ子供で、でもそれぞれに抱えているものがあるのですよね。礼がその小さな体で今後どれだけのものを背負っていくのか、礼を応援するとともにエドに一刻も早く改心してほしい気持ちでいっぱいです。

 それにしてもオーランドがいなかったら一体どうなっていたのか……。礼はオーランドとくっついた方が幸せになれそうだなと何度も思いましたが、彼自身もすごく訳ありげな様子。なんだか他の子たちより大人びて見えました。個性的なキャラクターたちの行く末も楽しみに、続編に進みたいと思います。


<オススメ>

・イギリスの名門貴族×健気ハーフ。
・シリーズ1作目。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

BookLive!/
Renta!/
コミックシーモア/
ebookjapan/
BOOK☆WALKER


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