パブリックスクール―八年後の王と小鳥― 樋口美沙緒(著)/yoco(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)エドワード・グラームズ…エド。名門貴族。海運会社CEO。27歳。

 (受)中原礼(なかはら れい)…イギリスと日本のハーフ。美術雑誌の編集員。25歳。


<あらすじ>

 イギリスと日本で遠距離恋愛をしていたエドと礼でしたが、礼が仕事のため3カ月イギリスに滞在することに。
 懐かしいイギリスでエドとの同居生活が始まり幸せを感じていた礼。しかし仕事が始まると束縛の強いエドと衝突、礼は大きな価値観の違いに直面します。


<感想>

 書き下ろしの表題作に加えて、雑誌に掲載された中編と短編も収録されたボリュームたっぷりな1冊でした。そしてなんかものすごいものを読んでしまった感が抜けません。シリーズも3巻目になるのに、こんなに夢中にさせられるなんてびっくりです。

 タイトルにある通り、パブリックスクールでの青春(?)時代からは八年の時が経ちふたりはすっかり大人に。さらに再会から八カ月の遠距離恋愛を経て、イギリスで期間限定の同居生活。最初はこれまでを取り戻すように甘かったのが、やはりふたりを隔てる壁は厚く……。エドはどこまでも王様で、礼はかわいい小鳥で、それ以外にはなりようがないと思い知らされる展開でした。

 個人的には、生まれや価値観の違いってどうしようもないことで、すり合わせるにも限界があると感じています。なのでエドと礼の選んだ道は納得のいくものでした。礼を迎えるだけの力をつけたエドでさえ、傷ついた礼を救えないと断言してしまうほどの重責。その重さを理解した上でエドを丸ごと愛してしまえる礼が、私には聖人にしか見えません。美しい表紙イラストがとてもしっくりきます。礼ってけっこう危機管理が薄く見えるときがあるんですが、でもそれくらいの鈍感力と器の大きさがないとエドのことは背負えないと思うので、やっぱりお似合いのふたりなんだろうと思っています。

 それから、これまでずっと礼を見守ってきた脇キャラの皆さんが勢ぞろいしているのも楽しかったです。先生のあとがきにあった「エドの二番手」争いをすごく見てみたくなりました。


<オススメ>

・イギリスの名門貴族×健気ハーフ。
・シリーズ3作目。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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