誤算のハート /緒川千世 【漫画感想】

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 2018年3月にシリーズの新刊(同人誌や未収録特典をまとめたもの)が発売になると耳にして、本棚から引っ張り出してきました。
 メインとなる表題作の他に、短編が2作品収録されています。



『誤算のハート』(表題作)

<登場人物>

 (攻)烏童隆太(うどう りゅうた)…高校生。一人暮らし。

 (受)三城(みき)…高校生。女癖が悪い。


<あらすじ>

 女子に迫られ揉めていた烏童と、その場のノリで付き合うことになった三城。
 所詮は「恋愛ごっこ」のつもりでしたが、優しく三城を甘やかす烏童の隣は居心地が良く、このままでは自分が変わりそうだと思った三城は激しく動揺します。


<感想>

 チャラい三城が面白半分に出した助け舟がきっかけで、周囲にも隠さず堂々と付き合うことになった三城と烏童。硬派な見た目で三城のわがままも聞いてくれる烏童はいい人に見えます。

 ですが体の関係をもってみれば三城から誘ったにも拘わらず烏童の手管に翻弄され、初心な反応をする三城。三城本人もこんなの自分じゃないといってしまうほどのギャップで大変かわいいです。

 逃げようとした三城を捕まえ、ついに本性を現した烏童の表情が怖くてとても良いです。ゾクゾクします。

 烏童兄の得体の知れない感じもとても好きです。烏童兄が主人公の『終わらない不幸についての話』を読んだ後でも、同一人物だとわかるのにこちらではものすごく攻っぽく見えるのがすごいです。



『ラストサマーブルース』

<登場人物>

 市ヶ谷(いちがや)…高校生。野球部1年。

 久住(くずみ)…高校生。野球部2年のエース。


<あらすじ>

 甲子園出場まであと1勝というところでまさかのサヨナラ負けとなった久住。それ以来久住は部活を休んでいます。
 1年ピッチャーの市ヶ谷は教室まで久住を訪ねてきては練習に来るよう説得しますが、久住が部活に復帰する様子はありません。


<感想>

 高校生の青春そのものといった雰囲気でした。ずっと淡々としているように見えた久住が最後に見せた涙が美しかったです。

 同じ野球部の能登や、学校の先生、久住を診てくれている先生達が皆とてもいい人そうなのが印象的でした。久住の努力を周囲の人々はきちんと見ていてくれたんだと思うと、彼の今後も大丈夫なように感じられてほっとしました。



『無防備な午後』

<登場人物>

 田町(たまち)…営業。大村とは同期。

 大村(おおむら)…企画部の鬼主任。メガネ。


<あらすじ>

 主任になってから新人教育を任された大村は、厳しすぎて鬼主任と呼ばれています。
 気難しさを同期の田町にからかわれ、言い争っているうちに大村の眼鏡が落ちて割れてしまいます。責任を感じた田町は、家まで代えの眼鏡を取りに行くという大村に付き添うと言い出します。


<感想>

 堅物に見えるけれど実は天然な大村が非常にかわいらしかったです。眼鏡がなくて本人とってはほとんど見えていない状態で、まっすぐ本音を言ってくるのがさすがのメガネキャラでした。

 そんな大村にさりげなくアプローチをかけている田町ですが、さっぱり気づいてもらえません。最後の最後でようやく伝わったようですが、照れる大村がまたかわいすぎて田町と一緒に笑ってしまいました。



<関連作品>

・電子書籍

Renta!/
eBookJapan/
ひかりTVブック/
BookLive!/
コミックシーモア/
BOOK☆WALKER/
楽天kobo


・新装版


・続編 (烏童兄のお話+『誤算のハート』の短編が収録) (感想記事→終わらない不幸についての話 /緒川千世 【漫画感想】


・後日談など (感想記事はこちらです


感想記事はこちらです


(感想記事はこちらです


・CD





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