仁義なき新婚生活 朝香りく(著)/三尾じゅん太(イラスト) 【小説感想】
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<登場人物>
(攻)郷島健吾(ごうじま けんご)…郷島組三代目組長補佐若頭。28歳。
(受)里海佳月(さとみ かつき)…里海組長男。20歳。
<あらすじ>
古き良き侠客一家・里見組の長男である里見佳月は、組を守るために結婚させられそうになった姉・沙月の代わりに自分が嫁ぐと言い出します。
あっさりOKされた佳月ですが、昼はフリフリ女装、夜はベビードールを着せられて健吾の相手をすることに……。
<感想>
組と姉を守るために自分が身代わりになる佳月は古き良き任侠精神にあふれていますが、自分も四代目のつもりだったとはいえほぼヤンキーなので、勢いだけで突っ走りぎみなところがあります。でもだからこそ健吾に半分嫌がらせで女装させられても堂々としていられるんですね(内心はかなり嫌そうですが)。
佳月は健吾にバカにされて怒りのあまり暗殺計画を立てたりしていますが、味噌汁を濃くしてやるというなんとも長期かつ平和的な殺り方。そう、佳月はいい子なんです。
夜のオツトメにはさすがにめげそうになる佳月ですが、新婚旅行先で仕掛けたイタズラのせいで健吾が湖に飛び込んでしまいます。風邪をひいた健吾の看病をすることでやっと互いのことを知れたふたりは、同じ極道の家に生まれたもの同士距離を縮めていきます。
最後には健吾を守ろうと無謀な真似をし、怪我までしてしまう佳月。想いが通じ合ったあとに、いつもの女装ではなく、佳月本来の姿の方がいいと健吾が言ったのがとてもよかったです。
本編のあとには短編『自覚なき熱愛宣言』が収録されていました。佳月の弟で、佳月が健吾に嫁いだために里見組を継ぐことになった亜月がふたりのマンションにやってきます。そこでふたりの関係を見破ってしまう亜月。まだ高校生なのにしっかりしています。そしてまさかのブラコン。今後の活躍に期待大です。
<関連作品>
・続編
(感想記事はこちらです)
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