おおかみさんとひみつの愛し子 かわい恋(著)/yoco(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

(攻)ゼノ…白狼族。王太子。国王の腹違いの弟。37歳。

(受)ユキハ…アレキサンドライト族。昼は青緑、夜は赤色の瞳。17歳。

 

<あらすじ>

 希少民族・アレキサンドライトの民の村が襲われ、そこに家族同然だった人々が住んでいる第二王子・ゼノは急いで駆け付けます。しかし、焼き払われた村で保護できたのは乳姉弟の残した2歳のユキハのみ。ゼノはユキハを守るため、全てを捨てて森で暮らし一人でユキハを育てます。

 

<感想>

 家族同然だった人に託された2歳児を、誰にも会わせず森で育て、妻として娶る……もしや背徳感に溢れた内容なのかとちょっと狼狽えましたが、ユキハの民族の特徴、ゼノの狼としてのまっすぐな愛し方がわかってくると、まるでおとぎ話のような素敵な物語。かわいいタイトルとyoco先生のイラストがぴったりでした。

 人から隠れて二人きりで暮らしてきたユキハにとって、ゼノは「おおかみさん」である父親。そんなほぼ親子からスタートしたふたりの関係が、ユキハの成長に伴って形を変えていく過程に萌えます。美しいと評判で民族独自の特徴を持つユキハと、決めた相手とは生涯添い遂げる白狼族のゼノがたどり着いた、このふたりならではの愛の形がとても感動的でした。

 箱入りとはいえ、自然の中で自給自足の生活をしてきたユキハは無垢で健気で強い。そして王太子仕込みの教養もある。たいそうゼノ好みにお育ちになったのでは……と考えるとニヤニヤしてしまいます。

 今回はふたりが結ばれ、森を出た後の方針が決まったところまでのお話でした。続編は2025年夏頃発売予定だそうです。

 

<オススメ>

・育てのおおかみさん×希少民族の愛し子。

 

<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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