獣人王の愛玩オメガ かわい恋(著)/北沢きょう(イラスト) 【小説感想】
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<登場人物>
(攻)レドワルド…国王。黒豹の顔をもつ獣人。
(受)アレクサンドル…サーシャ。愛玩用オメガとして伯爵夫妻に飼われていた。
<あらすじ>
愛玩用のオメガとして子供のいない伯爵夫妻に引き取られたサーシャ。美しいサーシャは伯爵夫妻にとって自慢の仔猫でしたが、発情期を迎えた途端に捨てられてしまいます。
伯爵のもとを追われたサーシャを拾ってくれたのは、獣人王のレドワルド。自分を人間として扱ってくれるレドワルドに惹かれていくサーシャでしたが、王家がオメガのサーシャを必要したことには秘密がありました。
<感想>
オメガバースものではあるものの、アルファやベータという単語は出てきませんでした。サーシャがオメガであり、この国ではオメガは奴隷や動物同然の扱いを受けているという風潮が徹底していて、オメガの境遇についてはかなりつらいものがあります。ですがその分レドワルドやその周辺の王族の皆様は優しい人が多く、サーシャのことを溺愛してくれます。
サーシャは最初、人間でありながら首輪を付けられ、貴族のペットとして暮らしています。けれど本人がそれを当たり前だと思っているため、それほど悲愴感はありません。教育もろくに受けさせてもらっていないために、健気で良い子ですがどこか楽観的。それが発情期がきた途端に伯爵夫妻に手の平返され、捨てられたあげく他の貴族たちから追い回されているところを国王のレドワルドに拾われます。
レドワルドはサーシャに優しく、人として扱ってくれるばかりか教育や仕事っぽいことも任せてくれます。そして絡みはとにかく濃厚。オメガバースかつレドワルドが「黒豹の獣人」であることが大変活かされています。
レドワルドとサーシャについては、成長抑制剤を飲まされ世の中と隔絶されて生きてきたためにいろいろな意味で幼かったサーシャの気持ちの成熟待ち、といった具合でふたりの仲についてはブレがありません。
そこへちょっと波風立たせてくれたのが、レドワルドの従兄・ウィラードとその奥様のハジ。この夫婦(夫夫?)がとてもいいキャラをしていて大好きになりました。よかれと思って真実を伝えたハジ、しかしそれによって気持ちを乱されてしまったサーシャ。ハジとサーシャが一緒にいると本当に仔猫同士がじゃれているようでかわいかったです。それを嫉妬に尻尾を揺らしながら眺めている黒豹……こういう構図も好きなのでたまらなかったです。
オメガにとってはかなり厳しい世界観なのでサーシャは何度か危ない目に遭いますが、そこはレドワルドがかっこよく助けにきてくれました。健気なオメガが王様に溺愛されるいいお話でした。
<オススメ要素>
・黒豹王(変身しないタイプ)×健気オメガ。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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・続編(感想記事はこちらです)
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