緑土なす きみに捧げる花の名は みやしろちうこ(著)/user(イラスト) 【小説感想】

記事内に広告が含まれています。


<登場人物>

 (攻)今世王(こんせいおう)…レシェイヌ。異能を持つ王族。王朝最後の王。金髪。

 (受)足弱(あしよわ)…ラフォスエヌ。今世王の異母兄。片足が不自由で、杖をついて歩く。黒い短髪。


<あらすじ>

 2年後に結婚式をすると約束した今世王と足弱。足弱はまだ困惑することもあるものの、王都で暮らし今世王に歩み寄りを見せます。そんなとき、山歩きの最中にふたりの寿命の違いをはっきりと認識した足弱は動揺し、崖から落ちて行方不明になってしまいます。


<感想>

 『緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼』、『緑土なす きみ抱きて大地に還る』に続くシリーズ3作目です。今回も本が分厚く、文庫本約2冊分はありそうなボリュームでした。さらにイラストのuser先生による漫画が2作品収録されていて、そのうちの1作「手当て」は描き下ろしです。

 全体の半分以上は過去の特典やすでにwebで発表済とのことですが、大幅に加筆修正されているものもあり、すでに読んだことがあっても楽しめました。

 2年後の結婚式を控え、足弱のことが大好きな今世王と、まだ何かと戸惑い気味の足弱との夜の営みをめぐる攻防が楽しいです。王族への愛が止まらない灰色狼を巻き込み、会議まで開いてしまうあたりに平和を感じ、安心して読み進められました。

 そしてこのシリーズで一番お気に入りの世界観が、今世王が満たされるとなんだかすごい奇跡が起こること。特に裏表紙にいらっしゃる「めでたい亀」がツボでした。せっかく700年ぶりに出てきたのに、足弱の反応には笑ってしまいました。食べるのはよしてあげてください。

 このまま穏やかな日々を積み重ねていくのかと見せかけて、「きみに捧げる花の名は」では事件が起こっていました。足弱が崖から落ちて行方不明になってしまいます。

 ですがそこは王族、わりとすぐに今世王自らお迎えに行きふたりは再会、事なきを得ます。これ本当に危なかったのは足弱を助けたセハさんだったのではないかと思います。あんなものさえ着せなければ……いや、今世王を煽ってしまったという意味ではグッジョブだったのかもしれません。足弱がとんでもない寝巻きを着せられてしまう日もそう遠くないのではないでしょうか。

 この事件をきっかけに寿命の違いをはっきり認識した足弱は、今世王への気持ちを新たにした様子。いつもは弟に迫られてばかりの足弱の、しっかりしたお兄さんっぽい一面が見られて嬉しかったです。

 さらに一歩進んだ関係になっていた足弱と今世王、ふたりが絆を深めていく姿をじっくり眺められて大満足です。


<オススメ>

・シリーズ3作目。
・短編+番外編集(灰色狼多め)。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

BookLive!<電子限定かきおろし付>【イラスト入り】/
Renta!<電子限定かきおろし付>【イラスト入り】/
コミックシーモア<電子限定かきおろし付>【イラスト入り】/
ebookjapan<電子限定かきおろし付>【イラスト入り】/
BOOK☆WALKER <電子限定かきおろし付>【イラスト入り】


・シリーズ




緑土なす 天から降る黄金の花弁 みやしろちうこ(著)/user(イラスト) 【小説感想】


緑土なす 祝祭の残り香にひたる みやしろちうこ(著)/user(イラスト) 【小説感想】


緑土なす 新婚旅行と、遠い雷鳴 みやしろちうこ(著)/user(イラスト) 【小説感想】
緑土なす 新婚旅行と、遠い雷鳴posted with ヨメレバみやしろ ちうこ リブレ 2024年02月19日頃楽天ブックス楽天koboAmazonKindlehonto紀伊國屋書店<登場人物>(攻)レシェイヌ…今世王。異能を持つ王族。王朝...


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説読書感想へ


コメント

タイトルとURLをコピーしました