<登場人物>
(攻)ヨルガ・フォン・オスヴァイン…王国騎士団長。アンドリムの番。
(受)アンドリム・ユクト・アスバル…元・悪の宰相。見た目は20代の43歳。前世の記憶がある。
<あらすじ>
アンドリムが前世の記憶を取り戻してから1年余りが過ぎ、番のヨルガと悠々自適に暮らせるかと思いきや、相談役に任命され忙しく日々を過ごしています。そんなとき、パルセミス王国を訪れた東国ヒノエの一行。幼い姫を巡るヒノエの思惑と、自身にかけられた呪いのルーツを探るため、アンドリムはヨルガを伴い東国ヒノエへと旅立ちます。
<感想>
『毒を喰らわば皿まで』続編です。前作のラストが衝撃で、もうこれ以上のものはないのでは?と思えるほどにきれいに終わった印象だったにもかかわらず、こんなにも違和感のない続編が読めるとは驚きです。しかも物語の根本を揺るがす新たな事実まで盛り込まれている……!今作も手に汗握りながら楽しく読了いたしました。
前作では「前世の記憶」の中のゲームシナリオからいかに脱却するかが見どころでしたが、今回はすでにシナリオにあったルートからは外れた世界。そんな状況でも、「記憶」を活かしつつ賢者として采配を振るうアンドリムがかっこよくて、片時も目が離せません。ヨルガともうまくいっている様子で、大の大人が人目をはばからず堂々と睦み合う姿に何度も萌え転がりました。
一通りの逆襲を果たし「悪」が似合うアンドリムでしたが、今作での旅の同行者は幼いお姫様。アンドリムは厳しい選択を迫りつつも姫とヒノエのためを考えての行動に見えたので、だいぶ丸くなったように感じられました。むしろ愛しいアンドリムのためなら表情一つ変えずに敵を切り捨てられるヨルガの方が、そちらに染まっていっているように思えたのですが……。
やはりアンドリムの本質は変わっておらず、最後の最後に明かされた真実にはとにかく驚愕でした。これはすごい。前作でひっかかりを感じていた方も、これできれいに消化できるのではないでしょうか。
冒頭キャラ紹介でのイラストもとても麗しく、見るたび目が幸せです。お話を読み終わってから見ると新たな発見があったりして、じっくり眺めまわしています。
<オススメ>
・王国騎士団長×腹黒元宰相。
<関連作品>
・シリーズ
(感想記事はこちらです)
(感想記事はこちらです)
(感想記事はこちらです)
コメント