刑事に一途なメランコリック 高月紅葉(著)/小山田あみ(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)田辺恂二(たなべ じゅんじ)…大滝組関係のインテリヤクザ。岩下周平の舎弟。詐欺師。眼鏡。

 (受)三宅大輔(みやけ だいすけ)…県警の組対。バツイチ。30代前半、田辺より1つ年上。


<あらすじ>

 刑事と情報源のヤクザから恋人になった大輔と田辺。互いを思い、恋人でい続けるために大輔は退職、田辺は足抜けのために動き出していました。しかし、ふたりの行動を良く思わない周囲が阻止しにかかります。


<感想>

 「刑事に×××」シリーズ文庫版5冊目、表題作『刑事に一途なメランコリック』(電子書籍に加筆修正)、中編『恋と媚薬』(書き下ろし)が収録されていました。

 まさかふたりともが今の仕事を離れる選択をしようとは。しかも大輔も田辺もお互いにだけはまだ明かせないロミジュリ状態。相手への想いゆえではあるものの、河喜田さんの「お互いに、自分のことしか見えてない」の言葉が突き刺さります。男同士の情熱ほとばしる展開はすごく萌えるし私は大喜びで読んでいますが、西島さんをはじめとした彼らの周囲の人々にとっては待ったをかけたくなるのもわかります。

 そんな誰から見ても「禁断の恋」な分、ふたりの逢瀬はそれはもう甘い。後半で田辺が犠牲になった媚薬は、「仁義なき嫁」シリーズで出てきたものと同様の薬でしょうか。もしかしてアレか……?と思い至ったとき、期待感と同時に切なさも押し寄せてきて大変でした。だって物凄いことになるのは確定なのに、最中の記憶は残らないんですよ……。かわいそうな田辺。

 でもこれは「ご褒美」でもあるのは先生のあとがきを読んで納得できました。あんなに怖い周平の、こういうところが人を惹きつけるのかもしれません。優しい人、だとは思いたくないのに、底なしの優しさを感じてしまうところがやっぱり怖いです。組関連では不穏な動きも見られるようですし、ふたりの身の振り方が気になって今後も目が離せません。

 そして今回も萌え転がった小山田あみ先生の表紙イラスト。ああなんという距離感。私の購入した紙本には巻末に1~4巻の広告が掲載されていて、モノクロですがロゴなしのイラストを順番に眺められます。なんかもうたまらない気持ちになりました。


<オススメ>

・インテリヤクザ×マル暴刑事。
・「刑事に×××」シリーズ5作目。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

BookLive!【文庫版イラスト&書き下ろし付き】/
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コミックシーモア【文庫版イラスト&書き下ろし付き】/
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