春売り花嫁とやさしい涙 高月紅葉(著)/白崎小夜(イラスト) 【小説感想】
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<登場人物>
(攻)能見義孝(のうみ よしたか)…遠野組の用心棒。元は格闘家だった。
(受)ユウキ…大滝組の男娼。26歳。未成年に見せるためにあらゆる手を尽くしている。
<あらすじ>
能見はかつては有名な格闘家でしたが、現在は組の用心棒をしています。恩人の頼みで男娼と関係を持つことになりますが、一夜限りのはずがその男娼・ユウキに一目惚れ。
身請け話のあがっているユウキに対して、どんなに邪険にされようとアプローチを続ける能見。そこへ以前ユウキに暴力を振るっていた元カレ・堺が現れます。
<感想>
『仁義なき嫁』で周平に横恋慕していた当て馬、ユウキのお話です。能見さんもちょこちょこシリーズ中に登場していたので、気になっていたお方でした。
『仁義なき嫁』シリーズの方は紙版での第1部(6巻の「初恋編」まで)しか読めていないのですが、おなじみのキャラクター達の登場もあって楽しかったです。
元のシリーズを読んでいた方が理解しやすい部分もありますが、こちらだけでも十分わかりやすく、おもしろいと思います。
『仁義なき嫁』の方では、ヒステリー持ちの典型的な当て馬でありつつも、かなり苦労している様子をにおわせていた美少年ユウキ。そんなユウキが大好きだったので、スピンオフが読めると知ったときはとても喜びました。しかし、まさか彼がここまで重い過去を背負っていたとは。
これまでの男娼としての人生が当たり前過ぎて、不幸になるとわかっていてもそちらに行くのが自分にとっては普通なユウキ。目を覆いたくなるような展開もありますが、それでもユウキを絶対に諦めない能見さんが素敵です。
タイトルに涙とあるとおり、受も攻も涙する場面があります。プレイ中は演技で簡単に泣くけれど、それ以外ではめったに泣かないというユウキ。そんなユウキが能見さんの前では演技なく泣いてしまうのは、なんだか読んでいるこちらがご褒美をもらえた気分になります。
そして実はそれ以上に記憶に残ったのが、能見さんが涙するシーンです。堺のせいでひどいことをされたのに、その時ユウキは泣きませんでした。自分が汚いからと拒むユウキに躊躇わずに口付け、代わりに泣いてしまう能見さんがもう。能見さんといればユウキは必ず幸せになれるとここで確信しました。
最後に、ユウキが能見さんに対して名前呼びになる瞬間が大変萌えました。これまで大変な人生を歩んできたユウキには、明るい能見さんと一緒にぜひバカップルへの道を突き進んでほしいです。
<関連作品>
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・続編 (感想記事→春売り花嫁といつかの魔法 高月紅葉(著)/白崎小夜(イラスト) 【小説感想】)
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