涙の中を歩いてる 水原とほる(著)/梨とりこ(イラスト) 【小説感想】
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<登場人物>
(攻)高林邦夫(たかばやし くにお)…小児外科医。
(受)野々村有也(ののむら ゆうや)…大学生。18歳。
<あらすじ>
大学生の有也は、通っているゲイバーで偶然高林と再会します。10年前当時研修医だった高林は、心臓疾患を患っていた8歳の有也に優しくしてくれた人で、それからずっと有也の中では憧れの人でした。
しかし高林は相手を痛めつける性癖の持ち主である様子。それでも恋人になるなら高林のような人がいいとずっと思ってきた有也は、高林に誘われた夜、自分が患者だったとは言い出せないままついていってしまいます。
<感想>
大好きな作品なのでいつかブログで感想を語りたい……とずっと思ってきたのに、好き過ぎてろくな言葉が出てこないという事態に陥っていました。でもまあそれはそれで書き留めてみようと最近になって開き直りまして、支離滅裂ながら感じたことを書くことにしました。
子供の頃から憧れ続けてきた人に再会した有也。相手の高林も男が好きだとわかって、おそらくあっという間に恋をしたように見えます。しかし高林は人を痛めつけるタイプのSで、それに対して有也はそういう趣向の人間ではありません。
それでも、いつか高林が自分を好きになってくれるかもしれないという想いを胸に、ただひたすらに耐える有也から目が離せません。そして高林の志向はというと、激しい流血とまではいきませんが、拘束した有也をベルトで叩いたり下剤を入れてトイレを我慢させたりと本当に容赦がありません。そんなプレイの中でもたまに見せる高林の優しさに、読んでいるこちらまで翻弄されます。
普通に考えれば近いうちに終わりが見えていそうなふたりだったんですが、実は有也が高林にとって唯一無二の存在になる過程といいますか理屈がものすごくよかったんです。小児外科医としてたくさんの人を救ってきたのに、相手を傷つけることでしか愛せないという矛盾を抱えてきた高林。有也によって少しでも長く癒され続けてくれればいいと願うばかりです。
<オススメ要素>
・S攻×健気受。
<関連作品>
・電子書籍
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