トレゾア~僕の宝物~ /さちも 【漫画感想】

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<登場人物>

 (攻)鷹匡(たかまさ)…人間。騎士。27歳。

 (受)フィル…エルフ。魔導士。125歳。


 ガディー…精霊。約3600歳。


<あらすじ>

 世界を救った勇者・鷹匡と魔法使いのフィルは、平和になってからもエルフの生き残りを探して旅を続けています。失恋した姫への想いを抱えたままの鷹匡を魔法で誘惑、拘束し、体を重ねたあとに記憶を消しているフィル。寿命の違いから、鷹匡に想いを告げるつもりはありませんでしたが……。


<感想>

 RPGな世界が舞台ですが、実は文明が崩壊した未来だというのがとても新鮮でした。馴染みのあるネタも「古の遺物」として仕込まれているのが楽しかったです。しかも世界はすでに救われていて、英雄であるはずの勇者と魔法使いがコソコソ貧乏旅をしている衝撃。冒頭からなにかものすごく複雑な事情が感じられます。

 ゲージが枠を突き破るほどの体力バカ・鷹匡と、MPオバケのフィル。フィルの仲間であるエルフの生き残りを探すため魔王がいなくなってからも旅を続けていますが、ふたりは喧嘩ばかり。しかし、立ち寄った村を守ろうとして鷹匡が負傷したあたりから、雰囲気が変わってきました。

 フィルは鷹匡に想いを寄せていたものの、鷹匡は先の戦いで助けたお姫様に失恋していたらしいのです。未練を断ち切れないままの鷹匡と体を重ね、事後は忘却術を使って鷹匡の記憶を消してなかったことにしているフィル。フィルにとっては鷹匡の寿命は圧倒的に短いために、自分の想いを届ける必要はないと考えているのが切ないです。

 そこへどうにか進展を促してくれたのが、鷹匡からはヒヨコ呼ばわりされている精霊・ガディー。ガディーについてはこんなにかわいいマスコットなのに、驚かされることばかりでした。カバー下にて明かされている生態を見ると本編がさらにわかりやすくなり、大変ありがたかったです。

 お話はこの1冊でまとまっていますが、まだ出てきていない設定や背景が実はたくさんあるのではと感じられました。一番気になるのは鷹匡の「訓練兵時代のイロイロ」だったりしつつ、その他にも思いを馳せられる要素が満載の楽しい物語でした。


<オススメ要素>

・勇者(27)×魔法使い(125)。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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