<登場人物>
(攻)狸央(りお)…化け狸。
(受)鬼村(おにむら)…人間。人ならざる力を持つ。眼鏡。
(攻)乙丸(おとまる)…あやしの湯の従業員。怪力の妖。
(受)七尾(ななお)…市の職員。都市計画化。
<あらすじ>
いたずらをする物の怪を退治してほしいと呼ばれた人間の鬼村。木の上で泣いていたのは、変化に失敗した子供の化け狸でした。鬼村が不思議な力をつかい狸を助けると、人間の姿をとれるようになった狸央は鬼村のことが好きだと言って離れず、同行することになります。
<感想>
『あやしの湯ももいろ美人』に登場し、そちらではすでに恋人だった狸央と鬼村。前半はふたりが出会った頃、後半は現在(前作から約1年後)のお話となっていました。後半では乙丸と七尾もしっかり出てきます。
前作ではあやしの湯のオーナー(元人間)と従業員(ほぼ人間)という謎めいた組み合わせだった鬼村と狸央。ふたりが出会ったのは昭和ごろだったように読めるのですが、舞台がほぼ山奥なのでもっとずっと昔の雰囲気が感じられます。
まだ子供の化け狸だった狸央が、うまく変化できずに泣いていたところを助けてくれたのが鬼村。鬼村は妖怪にとってはとてもきれいに見えるらしく(このあたりは七尾と同じで、前作を読んでいた方が理由がわかりやすいです)、ほぼ一目惚れの状態で狸央は鬼村にくっついてきます。「狸央」という名前も鬼村がつけてあげたものだったんですね。
その後ふたりは山に住む老夫婦から、そこの孫娘「みつ」を山に行かせないでほしいと依頼を受けます。これについては一応解決(?)したところで過去のお話が終了し、時間軸は現在へと移ります。
現在では七尾と乙丸が出会ってから約1年が経っていて、再開発計画が進められていました。ところが、人食い山姥なるものが開発地区方面に近づいてきているといいます。狐地と協力して対応に乗り出した鬼村でしたが、ここにみつと乙丸が深く関わっていました。
前作で七尾と乙丸は初対面ではなかったような描写があり、それについての真実が明らかになっていました。鬼村、狸央、乙丸、七尾の全員が過去と現在を通して繋がる展開に、これはすごいと唸ってしまいます。
それから鬼村の本名は最後まで狸央しか知らないところに激しく萌えました。あとちょっとだけ眼鏡を外した鬼村が美人さんでした。これも狸央がひとり占めしてるのかな……なんてことを考えてひとりでニマニマしています。
最後の描き下ろしでは、赤塚くんの好きな人がうっすら出ていました。顔もわからないくらいほんのちょっとの登場なんですが、ものすごい体格差があるのはわかります。でもたしか同じクラスの子だと言っていたような……。そして先生のあとがきで唐突に明かされる赤塚くんの属性。そういえば彼にはあかなめの血が入っているんでした。
<オススメ要素>
・狸央×鬼村スピンオフ。
・乙丸と七尾の真実。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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(感想記事はこちらです)
あやしの湯ももいろ美人 (ディアプラス・コミックス)
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雨隠 ギド 新書館 2017-10-02
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