鬼上司の恥ずかしい秘密 西野花(著)/國沢智(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)藤本(ふじもと)…親会社からの出向。社長の息子。33歳。

 (攻)渋谷成清(しぶや なりきよ)…入社2年目、制作部のエース。25歳。

 (受)宮城都和(みやぎ とわ)…人事課の鬼主任。28歳。眼鏡。


<あらすじ>

 広告制作会社に入社後6年目で主任へと出世した都和は、人事課の鬼主任と呼ばれるほど冷徹な人間として周囲に敬遠されています。それは都和が新人だった頃に犯した間違いを隠し隙を見せないためでしたが、同じ会社に勤務する二人の社員によってすべてを暴かれてしまいます。


<感想>

 刺激的な表紙イラストから、「恥ずかしい秘密」が一目瞭然の素敵な作品でした。

 新入社員だった頃に酒の席で嵌められ、それからずっと1人でどこにいるともわからない敵と戦ってきた都和。記憶がない上に顔がわからないとはいえ、自分が犯されている動画が流出していたら相当参りそうなものですが、むしろ見返してやろうと気持ちで都和は鬼上司になってしまいます。強い人です。さすが無自覚ドM。

 そんな都和の本性を見出し強引に迫るのが、同じ会社の藤本と渋谷。この2人の結束は固く、常に3Pで都和を優しく責めてくれます。特に印象的だったのが、天才肌の年下・渋谷が上司である都和に対して基本タメ口なのに対し、年上の藤本がいつでも丁寧な言葉遣いだったことでした。

 そんなふたりが最後に「主任」から都和の名前呼びになったとき、本来の関係性がうかがえたのには思いがけず萌えてしまいました。なんというか、萌とはまた違う次元で怒涛の絡みを堪能させてもらった直後での出来事だったので、完全に不意をつかれました。こういうの好きなんです。

 あとは会社での絡みシーンがほどよいスリルでよかったです。夜のオフィスで、デスクの上の電話の使用方法もこれまた絶妙。見つかっちゃったらどうするんだろう、という方向に気が散らない、私にとってはちょうど良い案配でした。オフィスプレイをこんなに魅力的に見せていただけて感謝の気持ちが湧いてきます。

 鬼上司の抱える「恥ずかしい秘密」の他にもお楽しみがたくさん詰まっていて、大変楽しい読書時間を過ごせました。


<オススメ要素>

・冷酷主任がつるつる(帯より)。


※紙本の帯にプレゼント(抽選)のお知らせがありました。

<創刊16周年記念プレゼント 100名>
『書き下ろしSSカード封入サイン本』
応募券2枚(2020年4月、7月発売のラヴァーズ文庫の中から2冊分)をアンケートハガキか官製ハガキに貼り、必要事項を明記して応募できます。
作家(敬称略):いおかいつき、バーバラ片桐、西野花、ふゆの仁子
締切:2020年10月31日 当日消印有効


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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