オオカミパパの幸せ家族計画 かわい恋(著)/榊空也(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)大神奈津彦(おおがみ なつひこ)…人狼の外見を残したハイブリッドアルファ。絵本作家。ロイド眼鏡。

 (受)大神千明(おおがみ ちあき)…オメガ。大神の運命の番。色白な肌に黒髪黒目。


<あらすじ>

 奈津彦と千明、娘の美羽、三人の甥っ子、奈津彦の母、猫のクー、総勢七人と一匹で今日も仲良く暮らしている大神家。三歳になった美羽が急遽幼稚園受験をすることになり、大神家は家族全員で協力態勢を整え、美羽を応援します。


<感想>

オオカミパパに溺愛されています』、『オオカミパパとおうちごはんで子育て中』に続くシリーズ3作目です。前作から2年経過しているとのことで、3歳になった美羽ちゃんの幼稚園受験が始まります。

 表紙イラストからすでに幸せ家族感が溢れていてかわいいです。モフモフの大神さんをはじめ、まるで絵本の中の家族のような大神家。とはいえ千明の庶民派な考え方や娘のお受験に立ち向かう姿がとてもリアルで、なんだか本当に存在する家族ドキュメンタリーを見せてもらったような気分です。亮太くんもハイブリッドアルファだし、オメガバース特有の発情期があったりしてファンタジー要素満載でも、彼らが私たちと同じ世界で今日も暮らしているのではないかと感じられる不思議な読後感でした。

 経済的な問題がない場合、こんなにも各家庭の教育方針と本人の意志が進学先を左右するとは。なるほどこれは家族会議が必要ですね。子供のためを思って納得いくまで話し合う千明と大神さんは絵本の中の理想の夫婦みたいで眩しかったです。庶民の私からすれば共感するのはやはり千明の方なので、千明の困惑や不安を受け入れてくれる大神さんの包容力に惚れずにはいられませんでした。オオカミパパかっこいい。

 すごく人間臭さのあるご近所さんたちの幸せまで願いたくなってしまうくらい、みんなが支え合って実践していたそれぞれの「幸せ家族計画」。家族全員で協力し、みんなが成長していく過程は美しくてそれこそ絵本のようでした。後日談や短編で大神さんの千明愛が爆発しているのにも癒されます。


<オススメ>

・シリーズ3作目。


<関連作品>

・シリーズ
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